静かな歩幅

@tomokunagisa8

第1話 始まり

 私が4,5歳くらいのことっだっただろうか、大人の履く長靴が太ももの上まで雪が積もっていた。頬に指すような寒さを感じた。手もおんなじように寒くて、頬に手を当てると熱かった。家の前だった。まだ建て替える前の家で小さな庭があった。心が不安でいっぱいになる前だった。






 さて、私、神山烱が生まれて14年が経っている。今日は熱い、だけど風も吹いていて過ごしやすい陽気である。ここまでことがあって、ずいぶんと長い時間を無駄にしてしまったものだが、それでもまだ現実は終わってなかった。ああ、こんなことを考え始めるのは月のもので心が不安定であるからか、心の乱れを自覚しながら今日も通いなれつつある道を通学するのであった。衣替えの季節で今は夏でも冬服でもいい時期にあり、半袖、長袖で登校する生徒がまちまちであった。これから夏になると、じめじめと暑いなかを登下校しなければならなくなる。義務教育の義務、学生の義務であるので仕方がない。多感な時期であるから色んなことを考えてしまうわけであるが、そこらへんにいるサラリーマンだってこの程度のこと毎日考えてる、酒のんで話てるサラリーマンだってよく言っているのに。子供だからと先輩面をする。まだそんなことでイライラしている。

そのとき私を呼び止める声は車の雑音や通学の生徒を押しのけて聞こえてきた。

「けーーーい!けい。おはよー。」

その聞き慣れた声が耳に届いた。少しイライラした感じが薄らぐ。振り返った。

「おはよう。」

成。片桐成という。幼なじみになる。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

静かな歩幅 @tomokunagisa8

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る