異世界人

ついたところは私の部屋だった。


「ってなんで私の部屋なの?!」


「他にちょうどいい部屋がないからよ」


「だからって」


「ほら、早く」


私が考えているうちにルティーナは既に部屋の中に入っていた。


「まったく、なんでこんなに自由なの?」


もう、いろいろツッコムことがめんどくさくなり、考えることをやめた。なので大人しくルティーナの後について中に入っていった。


「それでシンについてどんな話をしてくれるの?」


「うーんと、簡潔に言うとシン君は異世界人、私と同じ日本人なのよ」


「は?うそでしょ?」


こんなことを言っているが私はなんとなくだけど、そうじゃないかとは思っていた。シンは自分の力を隠したかったみたいだし。


「嘘じゃないわ。本当のことよ」


だからこの答えも、なんとなくわかっていた。


「そう、なんだ。それでそれがどうしたの?」


「これが私とシン君が付き合っている理由よ」


「え?どういうこと?」


「つまり、私とシン君は前世では幼馴染だったのよ」


「え?え?え?」


思考がついていかない。


一番謎なのは、なんで幼馴染が同じところに転生者として現れるのかだ。私もシンの両親から異世界人のことなどは聞いていたから、わかるけど、そんなことはありえない。


なりよりそれを私は信じたくなかった。


「信じてないみたいだけど、本当のことよ。それにそうじゃなきゃ、私たち付き合ってないわよ」


そんなこと言われても信じられない。


私が答えないから、ルティーナがどんどんと話していく。


「それに私、あなたが羨ましいんだよ?」


「え?何が?」


「何って、私の知らないシン君をあなたは知っているんだから。生まれてからの約10年間、その間のシン君を私は知らないんだから」


「そんなこと言えば私だって、シンと初めて会ったのは5年前なんだから」


「え?そうなの?」


「そうよ。もう少し早いと思ってた?」


「うん、だってシン君があんなに心を許しているんだから、8年くらいは一緒にいたと思ってた」


「え?これで心を許しているの?」


「そうだよ。心を許していない人にはほんと無関心だからね。あなたことを気にかけている時点でかなり心を許しているし。それに、私がいなければたぶんあなたはシン君と結婚できてたと思うし」


「ってことはやっぱりあんたをどうにかすれば、私はシンと結婚できるってこと?」


そう思うと、黒い感情がまた出てきた。


「あなたにならシン君を任せていいって思うし」


「え?」


その瞬間、黒い感情はすぅと消えていった。


「まあ、渡す気はありませんが」


やっぱりこの女殺そうかな?


「ん?渡す気?どういうこと?」


「もし、万が一シン君があなたのことが好きになったら私は潔く手を引くわ。あなたと違ってね」


「うぐっ」


「まあ、あなたに強要するつもりはありませんが」


「もうそんなの強要してるようなものでしょ!わかったわよ。私も潔く手を引くわ」


その時ルティーナはリリーナに見えないように小さくガッツポーズをとっていた。


「ただし、あなたたちが正式に結婚するまでは手を出すから」


「ちっ」


「ちって何?!」


「え?気のせいじゃない?」


「絶対聞こえたから!」


これにて、とりあえず停戦?された。






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