第31話 決闘 1
その日は先生もルナがいることに反対してたが結局は折れていた。
それでルナは僕の隣で授業を受けていた。
その日リリーは結局教室に顔を出さなかった。
授業は最初の騒動以外何も起きずに終わった。それとクラスメイトが僕に絡んでくるようになった。
たぶん目当ては、いい子の振りをしてルナに気に入られることだと思う。まあ、ルナが僕以外に興味はないみたいで完全に流しているけど。
教室を出て帰る道、聞こえてくる会話を聞くと、ルナの彼氏発言がもう噂になっていた。
ほんと勘弁してくれよ。
「ふふ、もうこれで私に言い寄ってくるやつも居なくなるわね」
しかも、そのおかげでルナはすごく上機嫌だし。でもそれって、そう簡単に終わらないとおもうのですけど。
そんな風にフラグを立ててしまったせいか、目の前に立つ人がいた。
「貴様がルティーナ様の彼氏か?」
「えーと」
「はい、そうですよ。それに貴様ではなくて、シンと言う名前があるんです!」
いやいやルナさん、そこ拘るところじゃありませんよ。
「そうか、それなら貴様に決闘を申し込む!」
「だから、貴様じゃなくて、シンなんだってば!」
だからルナさんそんなことはいいですから!
「えーと、それって受けないといけないんですか?」
「ううん、シン君受けなくていいんだよ。この人が勝手に言っていることだから、無視していても問題はないよ」
「問題しかないわ!貴様が俺より弱ければそれは無効になるからな!」
「そんな僕が先輩より弱いのは当たり前じゃないですか。先輩の方が早く生まれているんですから」
「そうだぞ!それにそれは私が相手と結婚をするのが嫌な時のみの約束事だから、関係ないんだよ。私はシン君と結婚したいの!」
そう言ってルナは僕を引っ張って行ってしまった。
「ふっ、逃げるのか?」
「ああ、そうだよ。逃げるんだよ」
「おい!そこは歯向かって来いよ!」
「そんな見え透いた挑発に——」
「なんですって?」
「あのー、ルナさん?」
「そんなわけないでしょ!シン君があなたなんかに負けるわけないじゃない!」
ルナは簡単にその挑発に乗ってしまった。
「いいでしょう!その決闘受けてあげようじゃない!」
こうして僕の意思など全く考慮されないまま、決闘することが決まってしまった。本当あれはフラグでしかなかったな。
それに厄介なことになってしまいそうだ。
そんな予感がしてならなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます