全然会えない
私は、入学したのはいいけど、どこにシン君がいるかわからなかった。最初は白い髪だからスクうわさになって聞こえて来ると思っていたけど、そんなことぜんぜん聞かなかった。まあ、まだ入学して1時間と経ってないしね。当たり前か。
そんなことを考えている内に教室まで来てしまった。私のクラスはSだ。Sは基本的に転生者のみだ。だから、少しだけ期待してる。もしかしたらいるかもしれないから。
クラスのすでに半分の席は埋まっていた。と言っても席は10席しかないんだけどね。やっぱりクラスには白髪の人はいなかった。
まあ、あと半分いるし、大丈夫だよね!
そうしてると見知った1人が入ってきた。
「アイリ!どうしてここにいるの?!」
「ルナさん!って言うか前に言わなかったっけ?私も同じクラスになると思うと」
「じゃなくて、だってアイリまで10歳に届いてないよね?」
「そうだけど、私だけ飛び級だけど、良いって言われたから」
「ふーん、そうなんだ」
「そうなんだってこれも前言ったよ?」
「あれ?そうだっけ?」
「まったく、そういうところは抜けてるのになんでこんなに頭がいいかな?」
「えっへん」
「褒めてないし」
アイリと会話している内に全員が揃っていた。でもやはり白髪の人はいなかった。
「うぅ」
「唸ったり、辺りを見回したり、どうしたの?」
「ううん、なんでもないよ」
でも知っている人がよかった。これで少しはシン君探しに集中できるよ。
でもこれがいけなかった。
それから、休み時間の度いろんなところを探しているけど全然見つからなかった。たまに会話とか聞こえて来るけど白髪の話題なんて1つも出てなかった。
あえて言うなら、あの男爵家の野郎に絡まれているやつがいるらしい。なんというかご愁傷様です。
そんな日が2日続いた日の放課後1つのうわさを聞いた。なんでも1年のAクラスに魔族みたいに髪が真っ白な子がいるとのことだった。
そういえば、魔族のうわさは何度も聞いていたのに見逃してしまっていた。それが原因か。
でもこれでようやくシン君に会えるよ!
そうと分かれば、さっそくAクラスに行ってみよう!
でも、シン君はもう帰ってしまっていた。
うう、遅かったよ。
なら、明日の朝学校に来たところで確保しよう!
明日のことが楽しみすぎて一睡もできないと思っていたが、シン君にいい姿を見せたいと思ったらすぐに寝ることができた。
そして翌日。ついにシン君に会える日が来た。
万全の体制でAクラスに向かう道の途中で待ち伏せていた。
そうすると、前の方から白髪の人が近付いて来るのが見えた瞬間、私は声を上げその子に抱きついていた。
今度は絶対に離さないと誓って。
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