ちょっと不思議な町

@amaterasuwww

第1話 連帯責任の町

 今日は嫌なことがあった。

 アスファルトで舗装された道路を歩きながら思った。

 あるペナルティによって先生に校庭を走らされたのだ。

 そのペナルティとは、連帯責任。どうやらクラスの一人が掃除をサボったらしい。

 僕はその子とは全く親しくないし、事務的な内容の会話をたまに話す程度だ。そんな僕とあまり関わっていない子が掃除をサボった連帯責任のペナルティとして校庭を走らされたのだ。

 ではそのサボった張本人はどうかというとあまり悪びれた様子はない。もちろん口では謝罪を口にしてはいるものの、笑いながら謝罪するという有様で、だれの目から見ても反省していないということがありありと分かった。

 その子の全く悪びれもしない顔を思い出してしまうとまたイライラしてきた。

 この町の学校では「連帯責任」が導入されており、クラスの中の一人が何らかのミスを犯すと、クラス全員がペナルティを食らうのだ。

 連帯責任が導入された目的は協調性の育成だそうで、集団生活の中で協調性をもって行動させていきたいらしい。

 けれども、そんな大人の目論見とは違って、僕の心はまさしく逆だ。

 連帯責任なんてなくなってしまえばいい。個人がいかに努力していても、誰かがミスをしていたという理由だけで、個人の努力が水の泡になってしまう。

 誰かがミスをするのをチームワークでカバーすればいいじゃないかというかもしれない。けれども、この世の中には何を言ったとしても一切合切話を聞いてくれない人もいるのだ。そんな人間相手になにがチームワークだ。チームワークなどというのは、理想主義者の戯言なのだ。

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