雷撃・オブ・ザ・デッド!!!──

0 逃亡

「「ぬぅおおおおおおお!」」


 夜の帳の中を、薄い赤髪を頭の左右で結び、その束を後方になびかせながら、女は走る。

 隣を行くのは黒髪の青年。額に汗を浮かべつつ、同じく声を上げながら走っていた。


「何なんだよ、こいつらぁ!」

「俺が知るかぁ!」


 二人が後ろを振り返ると、追いかけてくるのは腐りかけの化け物ども──アンデッドだ。


「お、お前、ご自慢のライトニングはどうしたぁ!」

「るせぇ! 弾切れだボケェ!」


 追ってくる化け物どもはアンデッドにあるまじき速さで駆けてくる。その数は40から50体。彼女の手にする二丁のコルトライトニングが撃てる状態であったととしても、到底かなう数ではなかった。


「クソったれめ、何だってこんなことに……」


 女はとほほと息を荒げながら、そんな弱音を吐きだすのであった。

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