第二章「降臨」 episode II : fall out / 2-0 予兆

 病院の待合室には見知らぬ弁護士の小父さんがいて、その足元近くをミニチュアのくじらの形をした飛行船が前後左右に漂っている。

 分析する気はないが、普通に幸せな夢だと思う。

 あたしとしては珍しく過ごす平穏な日々を象徴するかのような典型的な夢の内容だ。

 けれどもそれから数日後、北九州の地方都市の夕闇迫る夕方の焼けた空からヤツが降る。

 全身すべて真っ黒な、あたしの守護天使とまったく同じ顔と無表情を持った別の天使が……。

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