雨色RELATION!
ボトムオブ社会
第1話 雨色四月は僕の親戚
「お、おかえり、なさい」
僕が一日わずか数時間のバイトから家に帰ってくると、僕の親戚である
四月ちゃんは僕とは歳の離れた姉の、孫娘。黒いロングヘアで、おめめが隠れるほどに前髪も長い女子小学生だ。内気な性格で、少し吃音気味なのだ。しかし、結構フリフリしたファッションが好きなので、内気な恥ずかしがり屋さんではあっても可愛くありたいという願望は見て取ることができる。
僕の部屋の鍵をひとつ預けてあるので、僕の家に自由に入ることができるのだ。
「お、おにいちゃん、おつかれさま」
四月ちゃんは他人をねぎらうことのできる、よくできた子なのだ。
「何見てたの?」
「にゅ、ニュースだよ」
話題を振ってみたが、正直そんなことはどうでもよかった。そう、四月ちゃんはスカートで体操座りをしていたので、アンダーウェアーが見えていたのだ。僕はそれが気になって仕方が無かった。
僕は哲学家だ。一日四時間だけ働き、他の時間は自分の存在とは如何なるものなのかということを考えて暮らしてきた。右も左もわからないまま世界に産み落とされるという不条理、世界と自分の境界線、果たして自分という存在に意義・本質的な価値はあるのか、エトセトラ、エトセトラ……そんな思索たちの、なんとふわふわしていたことだろうか。それらの考えに骨格は無かった。ただただ表面的にものを考えていたのだ。答えを出さず、ただ難しい話を考えること自体に、そして難しい話を考える自分に満足していただけだったのだ。そしてそんなところに僕の本質は宿っていなかった。
僕は、かわいいかわいい四月ちゃんを見て、バッキバキに勃起していたのである。バッキバキに、勃起を。何かを小難しく考える必要なんてない。少女見て、おちんちん、おっき、おっき、気持ちいい。それが僕の本質であった。
「ど、どうしたの?」
勃起を隠して前屈みになる僕を心配して四月ちゃんが声をかけた。
グララアガア! グララアガア! 股間のゾウさん大暴れ!
「あそこが苦しいです、サンタマリア!」
そう叫んで僕は彼女を置いて家の外へとランナウェイするのであった……
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