譲られ

(二階建ての一軒家で暮らす四姉妹の元日の会話。皆で七輪で焼いた餅を食べている)


次女「やー美味しかったー! お腹いっぱいになっちゃったから、最後の一つ誰か食べてよ」


三女「じゃあ、ここは一番若い四女に譲ろう」


四女「えっ⁉︎ いいよいいよ!」


三女「いいのいいの! お餅を食べるとね、神様の力を授かれるって言われてるんだよ」


四女「じゃあ長女にあげなよ。この家の神様みたいなもんなんだから、さらにパワーアップしてもらおうよ」


長女「いやいや、神様が神様の力もらったってしょうがないでしょ。一番神様から遠い次女が食べて」


次女「どういう意味だ! あとお腹いっぱいって言ってんじゃん! ほら、三女食べたら?」


三女「嫌だ」


次女「じゃあどうすんのこのお餅! どうすりゃいいの! 憤怒の表情を浮かべたおじいさんの顔みたいな形に膨らんだこのお餅!」

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