小話いはなし。 Little Stories

繰り返し

　朝6時起床。

　眠くてしかたない中、顔を洗う。

　ご飯と漬物だけで食事を済ませ、スーツに着替える。

　家を出て、駅に向かって歩く。私と似たような服装の人達の集団も歩いている。

　押し込まれるように、その人達と電車に乗る。ぎゅうぎゅう詰め。全身が痛い。息苦しい。

　職場に着く。すでにへとへとだ。

　多すぎる仕事。どう考えても悪い業務効率。細かいことにまでネチネチと文句を付けてくる上司。短すぎる休憩時間。長すぎる残業。

　家に帰れるのは真夜中。

　疲れきっているせいで、たまの休みの日も1日中寝ているだけで終わってしまう。

　こんな生活が、いつもいつも繰り返されている。

　つまんない。楽しくない。嫌だ。

　頭の端で逃げ出したいとも思ってはいるけど、どうしたらいいのかもわからないし、何より一歩踏み出す気力がない。

　だから、ずっとこのまんま。繰り返しのまんま。

　そう言えば、自殺した人って自分が死んだことに気付かないで自殺する前の行動を延々と繰り返すんだっけ?

　ああ、そうか。

　だとしたら私も周りの人達も、とっくの昔に自殺してたのかも。