ついてきたもの

この前さ、部活で帰りが遅くなってさ、夜の10時頃だったかな。家に帰る途中だったんだよ。


街灯もない真っ暗な道に来た時にさ、後ろから変な音が聞こえてきたの。ぺたぺたぺたぺたって。


最初は何なのか分からなかったけど、よく聞くとなんかの足音なんだなって分かった。


でも明らかに人の足音じゃないわけ。それがずーっと後ろから聞こえてくるわけ。


おい、まさかこれ、「出た」のか? ってだんだん怖くなってきちゃってさ。


でもはっきりさせないのも気持ち悪くてさ。意を決してついに振り向いたんだよ、ばっと。


そしたらさ、そこにいたのはなんと… モニミナハミニカイラだったんだよ!


ははは、いやー笑ったね。幽霊の正体見たり枯れ尾花ならぬ、幽霊の正体見たりモニミナハミニカイラって!


はは、本当、モニミナハミニカイラくらいで何を怯えてたのかと思っちゃった! 幽霊だのなんだななんているわけないもんね。


ん? モニミナハミニカイラって何かって?


ははははは! 何言ってんの! ははははは!


…え、待って、本気で言ってる?


いやいやいや、モニミナハミニカイラはモニミナハミニカイラだよ⁉︎


は? 待って待って、知らないわけないでしょ? モニミナハミニカイラだよ⁉︎ 普通にそこら中にいるのに⁉︎ 知らなくてどうやって今まで生きてきたの⁉︎


…君、本当にこの世界の人?

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