聖なる鐘は皆の心に
仁志隆生
序章「サンタさんがさらわれた」
ここは遠い国。
サンタのおじいさんが住んでいる場所です。
そこからこの物語は始まります。
クリスマスまであと二ヶ月程となったある日の事でした。
「そろそろクリスマスプレゼントの準備をせんといかんの」
サンタのおじいさんは言いました。
世界中の子供達に配るとなるとその準備も大変なんです。
「そうですねサンタさん、これから忙しくなりますね」
そう言ったのは真っ赤なお鼻のトナカイです。
「そうじゃの、でも子供達が喜んでくれるのを思うと頑張れるわい」
「そうですよね。子供達の笑顔っていつ見てもいいですよね」
「うむ。さてと、まず玩具を作っていこうかの」
そう二人が話していると、
「ホホホ、そうはさせませんよ」
突然黒フードマントを着た男が現れました。
「な? 何じゃお前さんは!?」
「ホホホ、誰でもいいでしょ。それより私と一緒に来てもらいましょう」
黒フードの男はサンタのおじいさんの腕を掴みました。
「このやろー! サンタさんを離せー!」
トナカイは黒フードの男にに突進していきましたが
「これでも喰らいなさい」
黒フードの男が呪文を唱えると黒い霧が出てきました。
「うわああああ!」
そしてトナカイはその霧に包まれて倒れてしまいました。
「ホホホ、これでもうあなたはソリが引けないでしょう。それでは」
黒フードの男はサンタのおじいさんを攫っていきました。
「うーん、はっ?」
トナカイは目を覚ましました。
そして部屋の中を見渡しました。
「サンタさんが……ちくしょう!」
ドガッ!
トナカイは思いっきり手で床を叩きました。
「え、何これ……もしかして? そうだ、鏡を」
トナカイは部屋にあった鏡を見ました。
そこに映っていたのは、
「やっぱり僕、人間になってるー!」
人間の少年になったトナカイでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます