第二話『三人の美少女』
すべての状況を確認して僕は言った。
「はい、無双確定!!きましたこれ!!」
異世界でネットを使える男に僕はなった。
と、一人で、状況を確認しながら、ぶつぶつ喋ったり、叫んで喜んだりしていると、声が聞こえてきた。
「あ、変な人が居る」
と、ちいさな少女に言われた。
その声が聞こえたので、とっさに言う。
「いや、怪しいものではありません・・・」
と弁明する僕。すればするほど、怪しさは増すよな・・・と言いながら思った。なにしろ、着ている服も違うし、光る怪しいデバイスをニヤニヤ見ながら叫んでいたのだ、僕は。スマホに話しかけている人は元の現実世界でも十分怪しかっただろう。
「あやしぃ・・・」
と、ちいさな少女が言う。
そういう、やりとりをしていると、別の少女、多分そのちいさな少女のお友達、がやってきた。
「こら、キョウ!知らない人を『怪しい』『怪しい』言っちゃダメでしょ!」
と、もう一人の少女が言う。
安心した。常識人な友達らしい。助かるよ!ありがとう!!もっと言ってあげておくれ!!僕が怪しくないって!!
「カナデ!だって、この服に、この怪しい武器・・・」と、キョウと呼ばれた、ちいさな少女は説明を続ける。武器と言ったのはスマホのことだろう。
「あ、ほんとだ・・・怪しいわね・・・」
と、言う、活発そうな少女。
「アンタ何者!?!?」
と、声が大きく元気な少女(そして胸は大きくない)。カナデと呼ばれた少女にばっちり疑われた。いきなり手のひら返された。すごい速度で!さっきの感謝を返して・・・。
「ふたりともダメでしょ!」
と、さらにもう一人、他の二人とは違うおっとりした女性(胸の大きい)、がやってきて、二人をたしなめる。
「でも、ヒビキ!この人ほんとに変なんだよ、武器を見ながら叫んだりして」
このスマホは武器じゃないんです!!にやにやしながら叫んでいたのはほんとすいませんでした。反省してます。
「あら、ほんと!」
と納得するヒビキと呼ばれた少女。
「でもやっぱり、だめよ、変な人を変って言いっちゃ」
「いや、でも」
「だって!!」
と三人がわいわいと言い合いをしている。
「まぁ、まぁ、まぁ、キョウちゃん、カナデっち、ヒビキさん落ち着いて!」とスラスラ三人の名前を言いながら、仲裁に入る僕。
「え、なんで名前知ってるの?」と活発少女カナデっちが聞く。
「自分たちで言ってたじゃないですか?」
と僕が応える。
「え、普通一回で覚えられる??」
とカナデっちは驚いた。ヒビキさんも驚いている様子。二人は僕の記憶力に驚く。いえいえ、大したことはありません。
「一度呼ばれた女性の名前は全部覚えるのが礼儀では?」
と帽子をとって、深く礼をするジェスチャーをして(ただし帽子はもともと被ってないので、あくまでジェスチャー)僕は微笑んだ。
「やっぱり、あやしぃ」
ちいさい少女キョウがぼそりと呟いた。
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