第三百九十五話 『鷹匠』

「よし、じゃぁ、鷲に会いに行こうか!」

僕は二人に言った。


===

「鷲さんはどこにいるの?」

サラが僕に聞いた。

会いに行くと言ってもどこにいるのかわからなければ難しい。


「住んでるのは森だろうけど、彼らが狩りするのは平野とか海とかだよね」

僕が説明する。

住んでるところを探すのは難しそうだ。

狩りポイントを探すほうが難易度は低そうだ。つまり彼らは我々のライバルでもある。


「あ、海面上を泳いでるお魚を捕まえたりしますよね!」

奈緒子が言う。

そう、彼らは上空からチャンスを狙い、一気に狙う。

僕らみたいにたまにやるハンターではなく、日常的に狩りを行うハンターなのであった。


「陸上でも同じことができて、子狐ぐらいだったら、攫っていってしまうんだ」

僕が言う。

そういう動画をみたことがある。

結構衝撃的な映像だ。あんなに大きな動物を空中に連れて行ってしまうなんてと思ったのだった。


「ねぇ、鷲さん捕まえて食べるより、仲間にできないのかな」

サラが僕たちに聞いた。

そう、鷲はかなり賢い。

そして鍛えられた肉体というイメージがあるので美味しくない気もする。


「ああ、僕たちの代わりに狩りをしてもらうわけか」

僕が言う。

ゲームのキャラクタには鷲使いのキャラクタも結構いるので、イメージがついた。


「鷹匠ですね!」

奈緒子が言う。

そういう伝統があるのを聞いたことがある。

彼女は博識なので知っているのであろう。


「たかじょー?」

サラが質問する。

音としては聞き慣れない音だった。文字で見るとイメージはつきやすい。


「鷹を飼育管理して、狩りを行わせる仕事だね。直近だと、ドローンを撃退するのに使われたりしてたらしい」

僕が説明する。

しかし、ドローン退治は結構難しくチャレンジしたものの最近では行われていないみたいだった。


「うでに硬い布を巻いて、止まってもらってりするんですよ!かっこいいですよね!」

奈緒子が嬉しそうに言う。

そう、かなりかっこいい。

できる男感が半端ない。


「かっこいい!やりたい!」

サラが言う。

彼女はそういう少年のあこがれみたいなものは全部好きそうだった。


「いいね、サラは似合いそう」

僕は言う。

美少女鷹匠はかなり人気が出そうな組み合わせだった。


「怪我させずに、モンスターボックスで捕獲すればいけるかもしれませんね」

奈緒子が言う。

そう、僕たちが以前ワイバーンのワイちゃんたちを捕獲したように、捕獲すればできるかもしれない。


「鷲を怪我させずに捕獲するのはかなり難しそうだけど」

僕が言う。


「ふっふっふ。私にいい考えがあるのです!」

サラはそう言ってジャキーンと『籠手弓矢 - アローガントレット』を僕たちに見せた。

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