第三百九十四話 『鷲と鷹』

「そうなの!大きい鳥はこれでガツンといかせていただきます!」

サラはにっこり笑っていった。


===

「大きい鳥!確かに、そろそろ行ってみようか!」

僕はサラに言う。

サラもすっかり弓矢や狩りの道具の扱いがなれてきていたので、このあたりの動物を狩るのはかなりできるようになってきていた。


「うん、これに入り切る動物はだいたい行ける気がする!」

サラは虫取り網をブンブン振って言う。

彼女の身体能力であれば、飛ばれない限りはうまく移動して捕まえてしまうだろう。


「大きい鳥って鷹?」

サラが僕に聞く。

一般的に思い描く、大きな鳥といえば鷹だ。

鷹は響きもかっこいいし、フォルムもかっこいい。


「鷹とか鷲とかだね」

僕が言う。

大きい鳥といえばその2つがあるといえる。

鷲も響きとしてはかなりかっこいいし知的なイメージもある。


「鷹と鷲って何が違うの?」

サラが聞く。

あのかっこいいくちばしと、大きな翼が印象的だがたしかに違いはわかりづらい。


「たしかに気になりますね!似てますよね!」

奈緒子もうなずいた。

そう、似ているのだ。


「良い質問だね!」

僕が二人に答える。

気になってたまたま調べたことがあった。


「やった!良い質問!」

サラがジャンプして喜ぶ。

彼女は褒められると素直に喜ぶのでとても気持ちが良い。


「実は・・・一緒なんだ!」

僕は言った。

一瞬間を置いて二人に発表した。

テレビタレントみたいに答えを言うのに30秒ぐらい引っ張るというのを一度はやってみたいけどその勇気はなかった。


「なんだってー!」

サラは驚く。

彼女は全力で驚いてくれるので大変気持がよい。


「両方ともワシタカ目ワシタカ科の同じ動物なんだ」

僕が言う。

そう、生物学的には同じ部類みたいだった。

僕も調べたときにおどろいた。


「えー!そうなんだ!知らなかった!」

サラは驚いている。


「そうだったんですね!」

奈緒子も驚いている。


「60cmが鷹100cmが鷲だよ!」

僕が説明する。

鷹と鷲どっちが大きいかいつもごっちゃになってしまうが、鷲のほうが大きいみたいだった。


「結構違うんだね、倍ぐらい違うんだ」

サラが驚く。

両手で鷲と鷹の大きさを表している。

100cmとなるとかなりの大きさになるといえるだろう。人間の横幅よりは大きいのだ。


「そうなんだよね」

僕もうなずいた。

かなり差があるといえる。


「100cmってこんなだよ!こんなおっきいのがビューンてやってくるんだよ!すっごーい!」

サラは興奮している。

彼女は大きくて速いものが好きな少年と同じ心をもっているのだった。


「よし、じゃぁ、鷲に会いに行こうか!」

僕は二人に言った。


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