第三百八十四話 『神業』

「すっごーい!」

サラはその様子を見て興奮している。

かなり高度な狩りをやっているところを見たといえる。

奈緒子のスゴ技だった。


「鶏肉ゲットしました!」

奈緒子は笑顔でサラと僕に見せた。


===

「いまのはなんであたったの?」

サラが聞く。

地上に止まっているところを狙っても当たらなかったし、空中で移動しているところを狙っても当たらなかったものを奈緒子が当てたからだ。


「着地する瞬間を狙ったんだね。わかっててもできることじゃないと思う。すごいね」

僕が言う。

そう、理屈でわかっていたとしてもなかなかやることができないことをこの美少女たちはこなしてしまう。


「そうなんです、着地の瞬間は移動したりできないので、そこを狙ってみました!」

奈緒子はにっこり笑っていった。とても可愛らしい少女の一面が見れた。彼女はしっかりしていて、サポート役が多いのだけど、そういう一面もしっかりある。


「すごすぎる!私もやってみる!」

サラが鳥を狙う。

いま必勝法を実演で見せてもらったところだ。

かなりやりやすい状態といえる。


「かなり難易度高そうだけどね」

僕が言う。

そう、これは実際かなり難易度が高いと言えるだろう。

そもそも鳥が飛んでいるところを見つけるというのもそもそも難しい。


「あ、サラちゃんあの鳥さんがあの木に着地しそうです」

奈緒子はサラにアドバイスを出す。

どの鳥がどこに着地するかを把握するのがかなり難しいと奈緒子もわかってそこを補助したのだろう。


「おっけー!そこまでわかっちゃえばこっちのもんよ!」

サラが何故か江戸っ子の口調で答えた。

しっかりと集中して着地の瞬間を狙う。

そして・・・


「ていっ!」

サラはそう言って矢を放った!

その矢は鳥を捉えた!

・・・かのように見えたが・・・


「びゃー!」

鳥が叫んで飛んでいった。


「あー、外しちゃった!わたしのヤキトリがぁ・・・」

サラが言う。

そう、その矢はギリギリ鳥には当たらなかった。

着地の瞬間に矢を当てるのは実際かなり難易度が高いものなのだ。


「惜しかったですね!」

奈緒子がサラに言う。

実際に惜しかったのだ。

もうすこしずれていてればあたっていた。


「そもそも止まっている的にあてるのも難しいのに、着地する木を予測して、着地するタイミングで当たるよに打つのって、それはもう神業なのでは・・・」

僕は説明した。

そう、難しいポイントがいくつも重なっていた。

奈緒子は魔法使いとしても遠くの相手の硬直が解けた瞬間に魔法を当てるほどの腕前だ。


「おっけぇ、いいこと思いついたよ!」

サラがその難易度を理解して新たなアイデアを思いついたようだった。


===

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