第三百七十九話 『AR』
「そっか、カピちゃんに乗りながら打てばいいんだ」
サラはアイデアを思いついたとにっこり笑った。
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「それはとっても楽しそうですね!カピちゃんたちにも久しぶりに会いたいですね!」
奈緒子は手をブンブン振りながら想いを伝えた。
彼女は動物全般に敬意を示しているので好かれるのだろう。僕たちは乗れる動物をそれぞれゲットしているのだった。
「立って打つのも普通に難しんですけどね普通は!」
僕はそういいながら、キャリブレーションの続きをしている。しかし全然当たらない。彼女達は普通にやってのけたが、弓矢なんて素人がいきなりちゃんと射れる訳が無い。
「足が動いちゃってるんだよ、ビシッとしてビシッと!」
サラが僕にアドバイスする。
彼女のアドバイスは擬音が多い。
要約すると重心を落として、ブレないようにしろということなのだろう。
「あ、だんだん安定してきた」
僕は言う。
数回にわたり打つことにより、その軌道が表示され見れるようになる。いわゆるARと言われるような3DのUIが表示され直感的にわかりやすい。
「左により気味なんですね」
奈緒子がその表示をみながら僕にアドバイスをくれる。すこし自分が思うよりも右に打てるようになればまっすぐ飛ぶようだ。現実世界だとこのことに気が付くのにすごい時間がかかることだろう。
「おー、うまいうまい。VRってすごいんだね。こういうふうに過去の軌道が全部表示されるのが!これなら修正が簡単だね!」
サラは言う。
そう、彼女はこういう補助表示のない現実の世界で、しっかりと実績が残せるので、頭の中でなんとなくこういうことがわかるのだろう。僕には無理な世界の話だった。
「これが見えても簡単ではないんだけどね」
僕はそういいながら、何度も何度も打ち。
ついに安定して風船を射抜くことができるようになった。なんどもなんども打つことができるのがVRの良いところでうる。
「おー、当たるようになった!やるじゃんジュン!」
サラは僕に言う。
そう、なんとか矢はまっすぐ飛ぶようになっていた。
どう言うふうに失敗したのが視覚的に記録されていくので、すごいわかりやすい。
「そうだね。自分は動かず、相手も動かなければ!」
僕は言う。
そう、ここまで言って僕も気がついた。
実際の戦闘だと、自分も動き相手も動くなかで当てる必要があると言うときに。
「本来の弓道は的も自分も動かない状態での点数を競いますからね!すごく難しいんですよ」
奈緒子は言う。
そう、それだけでも一生をかける価値があるという難しい競技なのだった。
「キャリブレーションは終了です。つぎは動く動物を打ってみましょう」
アナウンスが言い。青いCGの世界が現実の世界に戻った。
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