第三百七十四話 『食材』
「そう、サラの料理修行編だよ!」
サラがキラーンと目を輝かせて言った。
===
「と、言ったものの何をやっていいかわからないので教えて欲しいです!」
サラはてへへと笑いながら僕達に言った。
そう、サラはゲーム経験がほとんどない。
この世界でも現実世界でのカンの良さでかなりの成果を出してきた、特殊な人材だ。
「もちろんもちろん」
僕は言う。
逆に僕らはゲームの話ならいくらでもできる。
聞かれたことはなんでも答えたい種族だ。
「もちろんです!」
奈緒子もにっこり笑って言う。
彼女もかなりのゲーマーだ。
結構難しい魔法使いという役職をしっかりとこなしている。
「どうしたら料理上達するの?」
サラが僕たちに聞く。
いままではたまたま手に入れた料理のスキルや、ドラゴンの肉で作っていただけだった。今回もいままでたまたまドロップしていた食材を彼女は上手に使っていた。
「そうだね、やれることは結構あるよ!」
僕はサラに言う。
単純に料理が上手くなりたいというだけなら『料理人見習い - クックアシスタント』より上位のスキルを手に入ればいいだけだけど、サラののぞみはそれ以上だと思う。
「まずは食材ですか?」
奈緒子が言う。
彼女も同じことを考えていたらしい。
おいしい食材があれば、美味しく料理できるはずだった。
「そうだね」
僕がうなずく。
料理がうまくなると簡単にいってもやることはたくさんある。食材選び、調理、味付け。
「あ、そっか!そうだよね!ドラゴン倒しに行きたいのもその理由だよ!」
サラが言う。
さっき言っていた、ドラゴンを倒したいというのはそういうことみたいだった。
「あ、ドラゴンを食材にするつもりなのね!」
僕が笑う。
彼女は目標がいつも大きい。
さすが日本一なだけある。
「いいですね、いまならちゃんと手に入ると思います!」
奈緒子が言う。
そう、その最終目標には賛成だ。
ただいきなりそれは大変だ。
「ドラゴンちゃんは最初はたいへんだから、初級編からやろうよ!」
サラは言う。
そうまだまだやってないことはあるのだ。
彼女もじっくりこのゲームを最後まで楽しむつもりのようだった。
「そうだね、狩りや釣りから始めようか!」
僕は言う。
そう、いままでクエストを進めることに夢中でそういうことをやっていなかった。しかしこの辺りの自由度の高さがラストオンラインの本質と言える。
「いいですね!いままでクエストを進めることに集中してましたからね!VRオープンワールドの本領発揮ですね!」
奈緒子が言う。
そう、この世界の凄さがわかるのが、戦闘以外の細かいところをひたすら作り込んである壮大さにある。
「狩り!私これやってみたい!エリカちゃんたちみたいなやつ!」
サラはそう言って弓を引く動作をしてにっこり笑った。
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