サラの料理修行編
第三百七十三話 『サラの料理修行』
「さあ、次は何する?」
サラがにっこり微笑んだ。
===
「とりあえず、うちで作戦会議しよっか?」
サラが僕らを家に誘った。
そう、いまの僕たちはやりたいことがたくさんある。
B級になって、いろんなところに行けるようになったし、なんと5億ゴールドももっている。
「まずは、打ち上げということだね」
僕が言った。
サラが誘ってくれて、遊びに来たときにはすでに料理が並べてあった。
「お酒は飲めないですけどね!」
自分たちの年齢から考えて、飲めないと奈緒子は言った。
この世界で実世界のルールが当てはまるか謎だったが、リアルな世界なので、控えたくなる気持ちはわかった。
「久しぶりに『ふつうのリストバンド』使ったー」
サラが言う。
この世界は武器にスキルがつく。
特定の目的があるときは武器を付け替えるのだ。
「ああ、『料理人見習い - クックアシスタント』がついてるからだね」
僕も思い出した。
彼女はこのスキルを使って僕たちにドラゴンの料理を作ってくれたのだった。
今回も打ち上げ用の料理をそのスキルを使って作ってくれたようだった。さ、みんな食べて!とサラは勧めた。
「いただきます!やっぱりすごく上手ですね!サラちゃん」
奈緒子も料理を口にしていた。
サラは現実世界でも兄のために料理を作っているようでかなりなれているようだった。一方奈緒子はそんなに得意ではないようだった。
「ありがとう!作りなれてるからね!」
サラがニッコリわらう。
人に食べてもらうのに慣れているようで、美味しそうに食べてる僕と奈緒子を見て喜んでいるようだった。
「さて、次なにやるかなんだけど」
サラが切り出す。
彼女には色々と考えがあるようだった。
ドラゴンに乗ったり派手なアトラクションが好きな傾向はある。
「うん、ドラゴンでも倒しに行く?」
僕が言う。
そう、いまの僕たちは普通にドラゴンと戦ってもおかしくないレベルだった。サラがこのスキルを使ってくれる前に倒したドラゴンと戦ったときとは違って。
「あ、正解」
サラが言った。
「お、あたった!」
僕が言う。
「でも、それは最終目標!目的があるんだよ!」
サラが言う。
ただドラゴンを倒すということに興味があるわけではないようだった。やりたいことの最後にドラゴン対決があるらしかった。
「なんですか?」
奈緒子が聞く。
実際、乗るためであればすでにワイちゃんがいる。
別の目標がサラにはあるのだろう。
「もっと料理がうまくなりたいのだ!」
サラは言った。
十分うまいと言える。
ただ、B級になり、格闘はかなりやったといえる今もっとこの世界を楽しむにはそれが必要だと考えたのだろう
「そう、サラの料理修行編だよ!」
サラがキラーンと目を輝かせて言った。
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