第三百六十八話 『まっぷたつ』

「そう、超高速でパンチを打つ作戦!」

サラが笑顔で言った。読みを身体能力で上回る作戦だったのだ。


===

「おおおおぉぉぉぉぉ」

僕は走っていた。

サラが独自のアイデアと行動力で三体のウォーマシンをスタン状態にしている。


これはつまり僕が全員にとどめをさすことを求められているということなのだ。


「止まっている相手なら、僕でも攻撃を当てられる!!」

僕は叫びながら、走る。

僕の手に入れた『神の剣 - デュランダル』は凄まじい攻撃力をしており、当てればほとんど倒せるという代物だ。


「そう、チャンスだよ!ジュン!」

サラも叫ぶ。

僕は運動神経がないので、SSSランクの武器『 神の剣 -デュランダル 』を持っていても、このレベルの高速の戦闘で攻撃を当てるのはかなり難しい。


「チャンスです!ジュンさん!」

奈緒子も叫ぶ!

サラがつくったこのチャンスであれば、この最新AIをつんだ、最強のモンスターウォーマシンにも攻撃を与えられる


「うぉぉぉぉぉ」

僕は、ウォーマシンを攻撃できる範囲まで移動して叫ぶ。

スタン状態にある、ウォーマシンならここから倒すことができる!


「よし、まっぷたつ!」

サラが叫ぶ。

僕はゆっくり冷静に縦に切り落とした。

これでこの長い戦いが終わる。


はずだった・・・


「ジュン!」

サラが叫ぶ。

そう、気がつくと僕は、後方に吹き飛ばされていた。

倒したはずの、ウォーマシンはパンチを放ったモーションで立っていた。


「グオォォォォォ」

ウォーマシンはこちらを見て咆哮している。


「ギリギリ間に合わなかったのか・・・」

僕はつぶやく。

そう、僕が攻撃するやいなや、ウォーマシンの『スタン』は解け、僕の縦に振り下ろした剣を見事に、からだを ずらして避けて、そのままパンチを放って僕は吹き飛ばされていた。


「おっと、これはピンチ!」

サラは言いながら、奈緒子の方に走っていく。

そう、僕の心配をしている場合ではない、奈緒子がフリーになってしまった。魔法使いの奈緒子に格闘家であろうウォーマシンが近づくと危険だ。


「『ファイヤーショット』」

奈緒子は、僕を攻撃した、ウォーマシンに炎の魔法を放った。それがあたればまた距離をとることができる。

定石といえる行動と言えるだろう。


「グオォォォォォ」

その魔法をウォーマシンは避けて、さらに奈緒子に襲いかかる。そう、このレベルのモンスターになると定石は通じない。通常レベルのモンスターではしてこない行動をしてくる。


「避けちゃうんだもんなー!」

サラはそれを見ながら更に加速する。

とんでもないレベルのモンスターを冷静に対処する方法を考えながら近づくサラ。


「グオォォォォォ」

ウォーマシンは、奈緒子を射程圏におさめて、パンチを放つ。


「させるかい!」

サラは蹴りを放ち、ウォーマシンの奈緒子に対する攻撃を防いだ。バチンと腕を蹴り上げた。さすがのサラはウォーマシンの攻撃を防いだ。


その瞬間また場面が展開した。


「まずいな」

もう1体のウォーマシンからスタンから回復していた。



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