第三百六十四話 『タッターン』
「さて、いっちょやったりますか!」
サラはウォーマシン三体に向かって言った。
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「さてさて、どうしよっかなー」
サラがウォーマシン三体を見ながら言う。
今の戦いからいろいろ考えているようだった。
「タカヒロたちは、一対一で戦うという戦術をとった結果まけてしまったというところがあるよね」
僕は今の戦いを分析してそう思った。
彼らはひとりひとり体術を得意としていたので、その戦法をとっていた。
「それもあるけど、最後タカヒロが二人を倒したんだよね!」
サラが言う。
最後にタカヒロがSSクラスの武器グングニルのスキルを使って、倒したことを指している。
「武器の強さが大事ということですね!」
奈緒子がサラの意図を読んで相槌を打つ。
そう、1人1体倒すことはできなかったが、タカヒロ1人で2体、一撃で倒している。
「そうそう、やっぱりこれはゲームだから武器の強さが大事みたいなんだよね!」
サラが言う。
リアルな世界だったら、たしかにサラ1人で全部なんとかしてしまうかもしれない。しかし、ここはバーチャルな世界。
「ということは?」
僕は二人に聞く。
なんとなくその先に待っているものの想像はついたけれど。
「そう、ジュンに頑張ってもらうってこと!」
サラがにっこり答える。
今まで起きてきたことから考えてそれが最適解だと思ったのだろう。
「それがサラの「カン」か!」
僕が聞く。
「そう、だってAIちゃんには普通の戦い方は聞かないんでしょ!それしかないね!」
サラがにっこり笑う。
自信があるようだった。細かい理屈を聞いたら、あれがドンとなってこれがバンってなるから、という説明が返ってきそう。
「感性AI vs サラちゃんのカンですね!」
奈緒子が言う。
そう、現代AIは人間の感性をつかったものになる、それを超えるにはさらなる人間の感性。つまりトッププレイヤーのカンというとろに、サラはカンで気がついた。
「それは、めちゃくちゃいいセン言っているきがするよ。だって、サラは人類最強のプレイヤーだからね。トッププレイヤーのデータは少ないからそれに対処するのは難しいんだ。それによく気がついたね」
僕がサラに聞いた。
「もちろん理論的に計算に計算を重ねた結果わかりました!」
サラはキーボードを高速でたたき、タッターンとエンターキーを素振りをした瞬間、メガネをシュピーンと上げて、答えた。
「あ、完全にカンだ・・・」
僕と奈緒子はそう思った。
「サラ、キーボードなんて叩いたことあるの?」
僕が笑って聞いた。
「うん、ない!」
サラは笑って答えた。
僕は笑った
「おにいちゃんがいつも叩いてるけどね!そっちに夢中でなかなかごはんたべにこないんだよ!!」
サラが思い出して怒っていた。
そういえば、サラは前料理を作ってくれたときにお兄ちゃんのために料理を作って一緒に食べてると言っていた。
「また、サラの料理食べたいね」
僕が思い出してつぶやく。
「おっけぇ!ここで活躍したら、振る舞ってしんぜよう!」
サラはにっこり笑っていった。
大変な戦いが待っているようだった。
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