第三百三十〇話『そう簡単にはいけないよ!』
「ま・・マジ・・・?」
僕はそうつぶやきながら、すでに動き出した、自分のモーションを止められずにそのまま頭部への攻撃を放った。
しかし、それは間に合わなかった・・・
「うわああぁぁぁぁぁぁ」
僕は自分の攻撃を当てるよりも早く『キングウォーゴーレム』の巨大な拳の攻撃を食らってしまい、吹き飛んでしまった。
「ジュン!!」
サラの僕を呼ぶ声が響いた。
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「ジュンさん!!」
美少女魔法使いの奈緒子も僕に向かって叫ぶ。
「ぐあっ」
僕は吹き飛ばされた先で壁にぶつかり、大きく倒れる。
「ジュン!大丈夫?」
サラが僕の方を見て心配そうに言う。
今回の作戦は、タカヒロさんたちの戦いを見てサラが提案したものだったから、そのことについて少し申し訳ない気持ちがあるのだろう。
「なんだ!つまらないね!」
タカヒロさんがそう言った。
「え?」
サラがそれに対して聞き返す。
「そうね。ぜんぜん大したことなかったわね」
双子の姉ララもタカヒロさんに同調する。
「格闘家のサラちゃん?だっけ?彼女はかなり凄いけど、肝心のジュンくんの身体能力がこれじゃ、まったくつまらないね。強い武器を持ってたとしても、当てられないんじゃしょうがない」
タカヒロさんはそう言って、自分の最強の武器、グングニルに目をやる。その武器はSSクラスの神器でかなりの攻撃力を誇る。実際ほぼ一撃で『キングウォーゴーレム』を倒してしまった。
「そうね。拍子抜けね。ここまで来たから、結構やるものだと思っていたけど・・・」
双子の美少女の姉ララもそう言った。
「しょうがない、やっぱりC級におもしろい相手はいなかった。ここをサッと終わらせて、B級に行こう。そしてそれもクリアしてA級に行こう。僕たちは、たぶんそういうレベルだ」
槍使いのタカヒロさんはつまらなそうにそう言う。
「大丈夫。そう簡単にはいけないよ!」
サラがその二人の話を聞いて、にっこり笑って言った。
「え、なんだって??」
槍使いのタカヒロさんが、サラの方を驚いて見る。
「そうですよ!そう簡単には先に行かせません!」
奈緒子も同調してタカヒロにそう言った。
「何を言ってるの?あなた達!実力の違いはたっぷりみたでしょう?あなた達が一体倒している間に、私たちは三体倒してしまうわ!」
ララがそう言う。ここまで来たことを知っているので、さすがに倒せないとは思わなかったようだけど、たしかにこの感じだと、手際の良さに差があるので、そのぐらいの差があるように・・・みえる。
それがいつもの戦い方だったら。
「ジュン!チャンスだよ!」
サラがそう言う。そう、僕を吹き飛ばした『キングウォーゴーレム』はサラに照準を変えて威嚇をしている。
威嚇というのは名ばかりでつまり。
突っ立っている!!
『疾風』
僕はその遠隔地から、止まっている『キングウォーゴーレム』に対してSスキル『疾風』を放った。
「な!なに!?」
グングニル使いのタカヒロさんが呟いた。
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