第三百二十九話『間に合うのかな』

「どおおりやぁぁぁぁ」

サラは更に走り電撃をまとったまま、『キングウォーゴーレム』の頭部を蹴りつけた!!


そして、スチャッとそのまま着地する。


「さ、次はジュンの番だよ!!」

サラは僕の方をちらっと見て、微笑んだ。


「よし!」

そして僕はそう言って走り出した!


---

「おおおぉぉぉ!!」

僕は剣を抜きながら、『キングウォーゴーレム』の方に走りつづける。


奈緒子が『スローダウン』で動きを止め、サラが頭部へ『雷迅 - ライトニング』でダメージを与え、チャンスを作ったモンスターに僕がトドメをさしにいく。それが今回の作戦。


「彼女は凄いね・・・」

今までの様子を見ていたタカヒロさんがサラについてそう言った。


そう、サラは凄いのだった。普通に身体能力もさることながら、この世界の物理条件も見事に使い、電撃の反発を見事に利用して高速に移動して、このチャンスを掴んだ。


「はい、素晴らしい身体能力でしたね」

双子の美少女ルルはタカヒロにそう答えた。


「たしかに凄いわ」

双子の美少女の姉ララもそう呟いた。


彼女自身の身体能力もかなり高かったのだが、それ以上であるということを認めていたのであった。

これはなかなかできることではない。さすがにここまで来た実力者だということがわかる。


「さて、ジュンくん?も彼女に匹敵する能力があるのかな?お手並み拝見」

タカヒロさんは走っている僕に対して、そう言った。


「と言うと?」

双子の美少女のルルはタカヒロさんにそう聞いた。


「うん、あの走りで間に合うのかな??と思ってね」

タカヒロさんはそう言った。


「え?」

ルルはそう答えた。

そしてその頃僕は『キングウォーゴーレム』の射程圏内まで走っていた。


サラが電撃の蹴りを頭部に放ち、一種のスタン状態に陥っているそのモンスターの近くにたどり着いた。


「うおおぉぉぉぉぉ」

僕は、そう言いながら、SSSランクの武器『神の剣 - デュランダル』を抜き、タカヒロさんがやったように、そのまま頭部に攻撃しようとしていた。


「いけぇぇぇ、ジュン!!」

サラが僕を大声で応援する。


「ジュンさん、がんばって!!」

奈緒子も胸に手を当てて優しく僕を応援する。


「ああ、やっぱり遅かったね」

タカヒロさんはその様子を見て呟いた。


「そうね・・・」

見ていた双子の姉ララもそう呟いた。


格闘担当の二人はモンスターの動きと僕の動きを見て呟いていた。


「グオオォォォォォォ」

短いスタンから解放された、『キングウォーゴーレム』が唸り声を上げて動き出した。


「ま・・マジ・・・?」

僕はそうつぶやきながら、すでに動き出した、自分のモーションを止められずにそのまま頭部への攻撃を放った。


しかし、それは間に合わなかった・・・


「うわああぁぁぁぁぁぁ」

僕は自分の攻撃を当てるよりも早く『キングウォーゴーレム』の巨大な拳の攻撃を食らってしまい、吹き飛んでしまった。


「ジュン!!」

サラの僕を呼ぶ声が響いた。

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