第三百二十二話『SSランク』

「どうやら5ステージ目があるようだ。」

僕がつぶやくと、そこには新たな三人が立っていた。


「君たちが最後の相手なのかな?」

そこに立っていたのは槍を持った、美少年と言っていい少年だった。


---

「すごい!珊瑚ちゃんたちより強い人がいたんだ!!」

サラが、その少年たちを見て言う。

少年と少女が二人。

それが登場した少年たちだった。


「そうだね。あの槍・・・」

僕は、つぶやく。

珊瑚たちより強いチームにいるその少年が持つ武器。

僕はその武器をネットで見たことがあった。


「槍使いなんだ!!めずらしいね!」

サラが言う。

そう、槍は少し扱いが難しいから、選ぶ人は少ないかも知れない。玄人向けの武器だ。


「ジュンさん!あの槍、すごく強いです!」

奈緒子がその少年の持つ槍を見て、クイッとメガネを上げて言う。

彼女の持つ、『魔女のメガネ』は特殊なスキルを持っていた。


「あ、『天秤 - ライブラ』ね!」

サラが言う。サラもだいぶスキルを覚えてきたようだ。


そう、サラが言うとおり、奈緒子のつけている魔女のメガネにつくスキル『天秤 - ライブラ』は敵の強さや武器のつよさが色でわかるA+スキルだ。


「そうなんです!かなり強い色をしています!まるでジュンさんの『神の剣 - デュランダル』みたいな!!」

奈緒子が驚いて言う。

『神の剣 - デュランダル』はSSSランクの武器だ。

そう簡単に同じぐらいつよい武器は出てこない。


「やっぱりそうか・・・あれは・・・」

僕はつぶやく。

SSSクラスの武器。

そして槍とくれば・・・


「え?わかるの?すごい!」

サラが驚く。

彼女はそんなにRPGやファンタジーの知識があるわけではない。



「あれは、グングニルだ!」

僕は言った。


「グングニル・・・」

奈緒子が言葉を失う。


そうそれは、神話に登場する、神様オーディンの持つ槍だ。

いろんなファンタジー小説やアニメに、ヒット曲に登場する、かなりメジャーな武器だ。


「へー!それは、ジュンの『神の剣 - デュランダル』より強いの??」

サラが僕に聞く。


「どうかな?ちょっとわからないな・・・」

僕は呟いた。


SSSランクの武器『神の剣 - デュランダル』は存在すら不確かな、伝説の武器としてネットでは書かれていたのに対し、グングニルは最初から登場が公開されていた。


SSSランクの武器がそうそうあるとは思えない・・・


「君の武器もSSランクなのかい??」

その少年が僕達に聞いてきた。

SSランク?

彼はそのグングニルをSSランクと言っている。


「このグングニルはSSランクでめったに出ないらしい。Sクラスの武器だってあんまり見たことがない。このグングニルと対等に戦える武器にはじめてあったよ!」

その少年はそう言った。


そう『ラスト・オンライン』はSクラスすらめったに出ない。それは合っている。

ただ、一つだけ違った。


僕の持つ『神の剣 - デュランダル』はSSSランクだった。

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