第三百十一話『投斧』

ズバァァァァン


僕の攻撃を受けて、『ハイパワーウォーゴーレム』は消滅した。


「そうか、しびれて動けない敵なら僕でも狙えるんだ!」

僕は強敵を倒してそう呟いた。


---

「よっし!珊瑚ちゃんたちに追いつこう!!」

サラがそう言う。


僕らは第二ステージのモンスター。『ハイパワーウォーゴーレム』2体と『ハイエリートウィザード』をなんとか倒した。先に第3ステージに行っている珊瑚たちになんとか追いついた。


「これは・・・いったい・・・」

僕は呟いた。

そこには、想像してなかった光景が広がっていたからだ。

そう、さっきの珊瑚たちからは想像できなかった状態だ。


「珊瑚ちゃんたちが、苦戦してる??」

サラが、その様子を見てつぶやく。


「くっ、恥ずかしいところを見られてもうたな・・・」

美少女剣士の珊瑚はそう言う。


彼女はそう言いながら立ち上がる。

さっきまで圧倒的な強さを見せていた、ジェムボックスがかなり苦戦している。


「モンスターが強いってこと??」

サラが聞く。

そう、彼女たちはつよい、そんな彼女たちが苦戦するほとほどのモンスターが登場しているということになる。


「そうだね・・・」

僕はつぶやきながら、モンスターの方を観察する。


「大きい『ウォーゴーレム』??」

サラはその様子を見てつぶやく。

僕達の前に現れたモンスターは、『ウォーゴーレム』を一回りも二回りも大きくしたモンスターだった。


「『キングウォーゴーレム』」

瑠璃がつぶやく。

苦戦を強いられている、彼女がなんとか僕達に教えてくれた。


「キング!!」

サラが驚く。

そう明らかにキング、今までのモンスターよりかなり大きい。


「そして・・・二体いるね・・・いきなり強くなりすぎだね」

僕はつぶやく。

しかし、多分そういうレベル設計になっているのだろう。

これはC級英雄ランク戦チーム同士のランキングを出すためのものだ。


「勝てないようなモンスターが出てこないと、差がつかないからですね」

奈緒子がつぶやく。


そう、まさに彼女の言うとおり。

ランク戦は実力差を見るところ。全員が勝てるような敵では差が測れない。


「元A級の珊瑚たちが苦戦する敵ということは、もうほんとにゴール寸前なんだね」

僕はつぶやく。

珊瑚たちより強いパーティーがごろごろいるとは思えない。


「グオォォォ」

「グオォォォ」

『キングウォーゴーレム』2体が吠える。


「まずい!」

僕はその様子を見てつぶやく。

そう、彼らは武器を構えていた。


「え?斧??」

サラがつぶやく。


「そう、たぶんあれは投斧だ」

僕がつぶやく。


「投斧??」

サラが僕に聞き返す。

そう、斧にはそのまま普通に使うタイプの斧と、投げて使う斧の2タイプある。あれは多分投斧だ。


「そう。あれを投げるんだ!」

僕は言う。


「グオオォォォ」

『キングウォーゴーレム』は唸りながら、斧を投げるモーションに入った。

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