第三百十二話『二刀流の真価』
「そう。あれを投げるんだ!」
僕は言う。
「グオオォォォ」
『キングウォーゴーレム』は唸りながら、斧を投げるモーションに入った。
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「えええぇぇぇ!あんな大きい斧投げるの??」
サラが驚く。
そう、それも無理もない。
『キングウォーゴーレム』はそもそも僕らよりだいぶ大きい。巨人と行っても差し支えないだろう。
そんなモンスターが使う斧を投げようとしている。
「しかも、2体同時にだ・・・」
僕がつぶやく。
そう、『キングウォーゴーレム』2体は同時に、斧を投げようとしている。
「珊瑚ちゃん危ない!!」
サラがその様子を見て、叫ぶ。
「わかっとるで!サラ!ありがとな!」
珊瑚はサラの応援を聞いて、立ち上がりスキルを発動させた。
「『二刀流 - デュアルソード』!!」
美少女剣士珊瑚はそう言って、二刀流のスキルを発動した。
彼女はまだ諦めてない。
『キングウォーゴーレム』2体をしっかりと見ている。
「え??何するの??」
サラは珊瑚の様子を見て、驚く。
この状況で『二刀流 - デュアルソード』を発動させた珊瑚には何か意図があるはずだった。
「まさか!打ち返す気か!」
僕は気がつく。
そう、僕の運動神経ではとてもできないが、珊瑚だったらできるかもしれない。
『二刀流 - デュアルソード』によって両手の剣を自由に操る珊瑚なら。
「グオォォォォ」
「グオォォォォ」
『キングウォーゴーレム』2体はほぼ同時に、投斧を珊瑚に向かって投げた!!
「おおおおぉぉお」
珊瑚はそう言いながら、両手の剣を構える。
カキィン、カキィィィン
珊瑚は襲いかかってくる2つの投斧をしっかり見て、両方の剣で、しっかり捌いて、弾き飛ばした。
「珊瑚ちゃんすっごーい!!」
サラは、そう言って興奮する。
そう、凄い。
これは達人技といえるだろう。
そもそも動く物体に攻撃を与えるのは難しい。
「ふふ、これくらいはなんとかな・・・」
珊瑚はそう言いながら膝をつく。
今までの戦闘のダメージが溜まっているようだった。
そして、『キングウォーゴーレム』の攻撃はそれでは終わらなかった。
「グオォォォォォ」
「グオォォォォォ」
2体の『キングウォーゴーレム』が吠えながら走ってくる。
「ひどい、徹底的に珊瑚ちゃんを狙うつもりね!」
サラが叫ぶ。
そう、『キングウォーゴーレム』2体は、珊瑚に向かって投斧を投げた後、さらに、二体で走り、追加で攻撃を加えるつもりだ。
「たしかに、『アタッカー』の珊瑚がやられると、ジェムボックスはかなり不利になる。そこへ集中攻撃か!」
僕はつぶやく。
C級英雄ランク戦のモンスターたちはかなり知能が上がっていて、かなり複雑な戦術を使うようになってきている。
「くっ、狙われているようやな・・・」
珊瑚はそう言った。
「グオォォォォ」
先についた『キングウォーゴーレム』が珊瑚に攻撃を放った。
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