第三百一話『上位プレイヤーの基本』

「よっしゃ、これでラスト!」

珊瑚は最後に残って、瑠璃が魔法を与えてある『ハイエリートウィザード』に向かって両方の剣をジャンプして、叩きつけるように突き刺した。


「グオォォォォォ」

『ハイエリートウィザード』が珊瑚の攻撃により、消滅した。


「よっしゃ、追いついたな!」

珊瑚は微笑みながら言った。


---

「すごい、一瞬で倒しちゃった!!」

サラが珊瑚たちジェムボックスの戦いを見て感動の声を上げた。僕らがだいぶ先行して倒したつもりだったが、あっという間に残りの2体を倒して追いついてきた。


「どや、すごいやろ!!」

珊瑚が自信満々で言う。


「うん、すごい!」

サラが言った。水晶が偉そうなこと言わない、と言いたそうにしていたが、それより速くサラが言った。ほんとにすごかったからだ。


「私達があれだけ苦労して出来るようになった超速攻、普通に珊瑚ちゃんたちも出来るんだね!」

サラが驚いて僕の方を見た。


「そうだね、ある種上位プレイヤーの基本かもしれないね。もう次は上級プレイヤーが集まるB級だからね。ここからはそれができる人達ばかりなのかもしれない」

僕は想像して言う。

でも多分そういうことなのだろう。

ここから先は上級プレイヤーばかりになる。


「そや、これくらいは基本やな!」

珊瑚はニッコリわらって言う。


「偉そうなこといわない!私達もかなり練習したじゃない!」

水晶が珊瑚に言った。

今度はサラに遮られることなく、ちゃんと珊瑚に注意した。

しっかりとお姉さん役を全うした。


「うん、大変だった」

瑠璃も頷く。


「そうだよねー!難しいよねー!これ!私合わせる方はできないし!!」

サラがそう言う。そう、敵の硬直時間がとけた瞬間に攻撃をするというのは、ゲーム経験の少ないサラには難しい。そこは、ゲーム経験の多い奈緒子が補っていた。


「ふつう、遠隔攻撃でやるのは難しい」

瑠璃が奈緒子に対して言う。


硬直時間を読み切って遠隔攻撃を当てるというのはなかなかやらないことらしい。

普通超速攻をする場合は、遠隔攻撃、近距離攻撃という順番でやるようだ。


「せやな、瑠璃以外できる人あまりみたことないもんな!」

珊瑚がそう言う。

彼女たちが元A級だった理由もそこらへんにあるのだろう。彼女の、センスが強さを支えている事は間違いない。

いつもは憎まれ口を叩いているがしっかりと信用しているようだ。


「そっか、やっぱり相手として不足なしだね!」

サラは珊瑚に対してそう言う。


「よっし、ジュン!珊瑚ちゃんたちを倒して、また一位でB級になろう!」

サラは僕に提案した。


「もちろん!負けるつもりはないよ!」

僕は、サラにそう答えた。


「はっはっは、言うてくれるやないか!この元 A級のわたしらに対して!」

珊瑚はそう言った。


「よっし、勝負ね!!」

サラがそう言うと、次のモンスターが登場した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る