第三百話『瑠璃の予測』
「そして、特筆すべきは奈緒子ちゃんね。モンスターのモーションを読んでいるわ。これはプレイヤースキルとしては最強と言われている技術ね。」
水晶は説明した。
「え?そんなすごかったの奈緒子ちゃん!!」
サラが驚いた。
そう、奈緒子はそんなすごかったのだ。
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「おっと、感心してる場合ちゃうで!サラ達はモンスターたおしてしもうた。」
珊瑚がそう言う。
そうこのC級ランク戦はマラソン方式の競争だ。
倒したら先に進んでしまう。
一旦抜かれると追いつくのはなかなか難しい。
「私達も倒す」
魔法使いの瑠璃が言う。
そして、杖を構える。
準備万端のようだ。
彼女は物静かだが負けず嫌いではあるようだ。さすが元A級。
「そうね、じゃ、やりましょう!」
水晶がつぶやく。
彼女も杖を構える。
魔法の照準を決めたようだ。
「『スピードエリア』!!」
水晶が、効果範囲にいると、スピードが二倍になる魔法をかけた。これでアタッカーである珊瑚の移動スピードをあげる作戦だ。ただでさえ、動きの速い珊瑚の動きが二倍になる。
「よっしゃ、いくで!『二刀流 - デュアルソード』!」
珊瑚はそう言いながら、二刀流のスキルを発動させる。そして走り出す。
いまの彼女の移動力は二倍だ。水晶はかなり良い位置に『スピードエリア』を発動させてる、これもなかなか出来ることではない。
「おりやぁぁぁぁ!」
珊瑚はそう言いながら、ザクッザクッと『ウォーゴーレム』に2回攻撃を加える。
「よし、次や!」
珊瑚はそう言って、とどめを刺さずにそのまま、『ハイエリートウィザード』の方に向かう。あうんの呼吸で、瑠璃が動きだす。
「『魔法連射 - ラピッドファイヤ』」
魔法使いの美少女瑠璃は、連続魔法を行うスキルを発動させる。
「ファイヤ、ファイヤ、ファイヤ」
瑠璃が魔法を唱えて、ガン、ガンと『ウォーゴーレム』に攻撃を加える。最後の魔法が当たる前に目標を変えた。
「なんだって?」
僕は驚く。今の段階では、倒しきったかどうかわからなかったからだ。
「ファイヤ、ファイヤ、ファイヤ、ファイヤ」
瑠璃はそのまま、『ハイエリートウィザード』に向かって炎の魔法を放った。
「グオォォォ」
事前に攻撃を加えていた、『ウォーゴーレム』が最後の炎を受けて消滅した。
「すごい、倒しきれることがわかってたんだ!!」
僕は驚く。
そう、彼女は攻撃を加え終わってから、倒しきった事を確認するのではなく、その前に、倒しきれることがわかっていた!!
「よっしゃ、これでラスト!」
珊瑚は最後に残って、瑠璃が魔法を与えてある『ハイエリートウィザード』に向かって両方の剣をジャンプして、叩きつけるように突き刺した。
「グオォォォォォ」
『ハイエリートウィザード』が珊瑚の攻撃により、消滅した。
「よっしゃ、追いついたな!」
珊瑚は微笑みながら言った。
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