第二百七十三話『担当』

「よし、振り切ったわ!いくわよ!」

とレイラは特殊なスキルで二体の『ハイスピードリザードマン』の追手を交わし、攻撃態勢に入った!


「オッケー!」

と剣士のサクラが言う。


「了解!流石レイラ!」

と格闘家のアキラも言う。


一番左の『ハイスピードリザードマン』に向かっているサクラとアキラがレイラに答えた。

そう、サクラいわく、速攻アンド速攻アンド速攻。つまり超速攻を開始するつもりだ。


「いくわ!」

と言って、レイラが矢を放った。


ビュッと、一番左の『ハイスピードリザードマン』に向かっていく矢。


そう、それが彼女達の速攻の合図。


それを

「はい」と後ろも見ずにしゃがんで避ける格闘家のアキラ。


「よっ!」

と、ジャンプして避ける剣士のサクラ。


そして、急に矢が飛んできて避けることの出来ない『ハイスピードリザードマン』


「グエェェェェ」と唸り声をあげる。


刺さって拘束がとけた瞬間、いつものように足元に蹴りを叩き込むアキラ。そして、転倒する『ハイスピードリザードマン』。


「ナイス!アキラ!」

と言って、いつものようにモンスターに向かって剣を上空から突き刺す、サクラ。


「また、一瞬で倒した!あのコンビネーションがスタートできれば一瞬なんだ・・・普通は二体の『ハイスピードリザードマン』に追われたら、それを避けて弓矢を放つなんてできないけど・・・」

と僕が言う。


「すごく面白いスキルだったね!残像すごい!」

とサラが言う。


「すごく面白い使い方ですね!」

と奈緒子が言う。


「いいなぁ。昔、残像でるかな、と思って拘束で反復横跳びしてみたけど、全然でなかったし!」

と、サラが笑いながら言う。


「あ、やっぱり試したんだ!」

と、僕も笑った。


とりあえず男の子がやりそうなことは、全部試していそうなサラだった。そして、普通はやる前に出来ないと思って、諦めていることも、その身体能力でたまに成功させてしまっているところが凄まじい。


「よし、3:2になったわね!」

と、剣士のサクラが言う。


「うん、だいぶ楽になった。残り2体を私達でひきつけよう」

と格闘家のアキラが言う。


そう、基本的に遠隔攻撃担当は狙うれて近づかれるとかなり厳しい。そういうのは接近戦担当の役目だ。


「オッケー、じゃぁ、私は手前の方」

とサクラが言う。


「了解、奥は私がやる」

とアキラが走りだした。


たたたっとサクラが『固定残像 - スクリーンデコイ』に夢中になっていた片方の『ハイスピードリザードマン』にジャンプで斬りかかった。


ズシャッ!と剣戟が入り、ダメージを与えた。


「あんたの相手は私よ!」

とサクラが言う。


「グエェェェ!」

とダメージにより正気に戻ったのか、『固定残像 - スクリーンデコイ』が偽物の敵だと気がついて、サクラの方に敵意を向ける『ハイスピードリザードマン』


「剣士同士たのしくやりましょう!」

と、サクラはニコッと笑って剣を振った。

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