第二百六十二話『超速攻』

そうこう話していると、すでに、アキラたちは、敵のそばまで走って近づいていた。


「そして、彼女達は速攻のチームらしい」

とぼくは呟いた。


「いくよ、アキラ!」

と、サクラが言いながら、攻撃態勢に入った。


そして、その後方にいるレイラが弓を構えていた。

しかし、真っ直ぐ向かっているアキラとサクラによって、彼女からは『アーマードリザードマン』は見えない。


「え?サクラとアキラが前にいるのにレイラが矢を構えてる?」

と僕が呟いた。

そして、お言葉に甘えて早速呼び捨てにさせてもらった。

ぶつかってしまうが、ここまで来た人達が無駄なことをやるとは思えない。


「あ、ぶつかっちゃうってこと?」

と、サラが言う。

そう、このままでは仲間にぶつかってしまって敵まで届かない。


「そう、どうするつもりなんだろう?」

と、僕が呟くと・・・。


「行くわよ!アキラ!サクラ!」

と弓矢使いのレイラがいいながら、矢を放った。


まだ、前に仲間が二人いるのに・・・だ!


「こうするつもりだよ!!」

と剣士のサクラがにこっと笑ってジャンプした。

まるで後ろに目がついているかのように、レイラの矢に当たらないように綺麗にジャンプした。


「おお!すごいジャンプ力!」

とサラが言う。


「すごいですね!サラちゃんみたい!」

と奈緒子が微笑む。


剣士のアキラが高いジャンプ力で矢を避けた。

とはいえ、今度は格闘家のアキラにあたってしまう。


「こうする」

と格闘家のアキラがしゃがんだ。

そう、彼女もまるで後ろに目が付いているかのように、ギリギリでレイラの矢を避けたのだった。


「すごい、いっきに射線をつくった!」

と、僕が言う。


そう、二人を待ち構えていた『アーマードリザードマン』はいきなり弓矢に打たれたのだ。

彼女たち二人が射線を作ったことにより突然の弓矢攻撃を受けた『アーマードリザードマン』


「グエェェェェェ」

と言いながら、ダメージを受ける『アーマードリザードマン』。

そして、彼女たちの攻撃はここでは終わらない。


「はい!」

と『アーマードリザードマン』の硬直がとけた瞬間に、しゃがみキックを当てる、格闘家のアキラ。


その蹴りは鋭く、『アーマードリザードマン』の態勢を崩すだけではなく、大きく転倒させた。


「ナイス!アキラ!」

とすでにジャンプしていたサクラが、倒れた『アーマードリザードマン』の硬直がとけるのをギリギリまでまって、天高く上げた剣を突き刺した。


「グエェェェェェ」

と言いながら、『アーマードリザードマン』が消滅した。


「す、すごい・・・なんだ今の・・・」

と僕が呟く。


ほんとに一瞬の攻撃だった。

一瞬の間に三人の攻撃が綺麗にきまったのだった。

そう、これが彼女達の戦い方・・・


「これが私達の超速攻だからね!」

と、剣士のサクラが満面の笑みで僕らに言った。

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