第二百四十九話『貫通弓矢 - ハイスピードショット』

そう、大弓のエリカが遠隔攻撃ができると言っても、射線が通ってないと難しい。せっかく遠隔射撃ができるのに、利点が消えてしまう。


「正解!でも・・・その心配はいらない!むしろそうしたのさ!」

と普通弓のサヤカが言った。


そして大弓のエリカがスキルを発動させた。

そう、アスカはなにか狙いがあって、引き込んでいる様子さえあった。


「さぁ、行くわ!」

とエリカが大弓を引きながら微笑んだ。


「まさか・・・」

と僕が呟く。


『貫通弓矢 - ハイスピードショット』


と大弓のエリカがスキルを発動した。


「そう、一気にエリカが倒すんだ!」

とサヤカが言う。


キィィィィィィイン

と、エリカの矢に光が集まる。


そして、アスカから見て一番右の『ダークウィザード』に向けて矢を放った。


ガンッ!!


「グエェェェ」

と一番右の『ダークウィザード』が呻き声を上げて、そのまま、消滅した。


「貫通した!!」

と僕が言う。


そう、アスカから見て一番右にいた『ダークウィザード』を倒したエリカの『貫通弓矢 - ハイスピードショット』によって打たれた矢がさらに直進した。


「グエェェェェ!」

とアスカから見て二番目の『ダークウィザード』にも大弓のエリカの矢が突き刺さって、消滅した。


「まさか!まだ止まらないのか!!」

と僕が言うより速く、エリカの矢はアスカから見て一番左、エリカから見て一番奥の『ダークウィザード』に突き刺さり、そのまま消滅した。


「すごい!一撃で倒しちゃった!」

とサラが驚く。


「す!すごいですね!」

と奈緒子が言う。


「すごい・・・」

と僕が言う。


「そう、これが私達の戦い方だ!」

と普通弓のサヤカが言う。


「アスカが籠手弓矢で敵を引きつけて、サヤカが『五月雨矢 - サミダレ』で体力を削り、エリカが『貫通弓矢 - ハイスピードショット』で止めを刺す・・・」

と僕が呟く。


「そう、そのとおり!」

と普通弓のサヤカが微笑む。


「へっへーん!どうだジュン!おねぇーさま達は凄いんだぞー!!」

とアスカが胸を突き出して自慢気な顔をした。


「うん、アスカもかなり凄いよ!」

と僕が言う。


「えっ!」

と、アスカが顔を赤くして驚く。


「ばっ、ばっ!褒めたっておねぇーさまは渡さないんだぞ!!」

と、アスカが言う。


「ジュンくん・・・うちのアスカをからかうのはやめてくれ・・・!」

とその様子をみかねて、普通弓のサヤカが言う。


「からかってるつもりはなかったけど・・・それにしても、エリカの『貫通弓矢 - ハイスピードショット』はかなりすごいね。そんなに横一列に並んでいたわけじゃない三体を一撃で・・・」

と、僕が言う。


「そうね、弓道の的よりは小さいわね!でもだからこそ楽しいわ!」

と大弓のエリカが微笑んだ。


「さて、次は私達ね!」

とサラが行った。

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