第二百二十九話『作戦B』

バチィバチィィィィィと、サラの手もとに残った電撃の音がなる。


「よし、これで、大分有利になったかな?」

と、サラが微笑む。


「よし、3:1だ!残るは『エースリザードマン』だけだね!」

と、僕は微笑んだ。


「すごい!!一瞬で倒しちゃいました!!」

と奈緒子が言う。

そう、ほんとに凄いといえるだろう。あれだけランコリンコレンコを苦しめた、敵を一瞬で追い詰めたといえる。


「うん、あとは、『エースリザードマン』を倒すだけだね!」

と僕が言う。


この『エースリザードマン』がランコ、リンコ、レンコたちにしたように、数の差で押し込むというのはかなり正しいやり方だ。今は僕達も、『パワーリザードマン』と『スピードリザードマン』をやっつけたことにより3:1となり、かなり有利になっている。


「気をつけるのは、『獣水鉄砲- ウォーターショット』だね。ウォーターカッターのような、鋭い攻撃だ、当然彼も狙っているだろう」

と、僕が言う。

あれを食らうと、また戦況が一変しかねない、そのくらいのスキルだった。


「グエェェェェ!」

と『エースリザードマン』がうなる。

『パワーリザードマン』と『スピードリザードマン』を倒されて怒っている。


「近づいたら、『獣水鉄砲- ウォーターショット』出来ないんじゃないかしら?」

と言いながら、いつの間にか、『エースリザードマン』に近づいていた、サラが『エースリザードマン』に蹴りを加える。


そう、『獣水鉄砲- ウォーターショット』は中距離で威力を発揮する技だった。近距離だとスキが大きく、遠距離だと届かない。


「グエッ!」

と言いながら、サラの攻撃を腕で防ぐ『エースリザードマン』


「うん、すごくいい動きだね!」

と、満面の笑みのサラだった。

そう、たぶんもうランコリンコレンコをやられた怒りは消え、単純に、『エースリザードマン』との戦闘を楽しんでいる。


「グエッ」

と言いながら、剣を振る『エースリザードマン』

一撃一撃がさすがエースというだけあって鋭い。

しかし、その一撃、一撃をギリギリのところでかわすサラ。


「サラちゃん相変わらず凄いです!」

と奈緒子が言う。


「よし、だいたいわかった!ジュン!作戦Bだよ!」

とサラが言う。


「え?作戦Bってなに??」

と僕が言う。聞いたことなかった。


「とりゃ」

サラは、大きく、『エースリザードマン』の盾を蹴った。そして、ぐぐぐ、と『エースリザードマン』は後ろに下がり、さらはぴょーんと、後ろにクルッと回転して着地した。



「グエェェェェエ!」

と『エースリザードマン』が吠える。


そして、距離を取ったサラに対して、スキルを発動させるようだった。『獣水鉄砲- ウォーターショット』だ。

大きく息を吸うように、背中を反らせる『エースリザードマン』。


「ふふふ、当たるかな・・・それ!」

と、サラがにっこり微笑んだ。

そう、サラはそれを狙っていたのだった。

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