第二百二十四話『エースリザードマンの知能』
かなりの距離、リンコは飛ばされ、着地した。
「このやろう・・・」
と、リンコがランコへのフォローを阻止してきた『パワーリザードマン』に対して言った。
そう、同じ『リザードマン』でも、『エースリザードマン』、『パワーリザードマン』、『スピードリザードマン』の三体は連携もこなすかなり強力な敵だったのだ。
「私がやる!」
と、格闘家のレンコが叫ぶ。
ガチャンと、『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』を変形させる。糸を射出できるモードに変形させた。ハサミがグルンとまわって糸の射出口が現れた。
「いくよ!」
と言いながら、『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』から糸を射出させた。
変形剣のランコと戦闘中の『スピードリザードマン』に当てて、電撃を食らわせるつもりなのだろう。
それでかなり、変形剣のランコは楽になる。
しかし、それを見越してか、『エースリザードマン』が
「グエエエエ」
と、叫んで指示を出した。
「まじか!賢すぎるだろう!」
と、僕が驚く。
僕は、全員を見渡せる位置にいたので、『エースリザードマン』の意図がわかったのだ。
それを指示できる人が人間だとしてもそんなにいるのだろうか・・・と思った。
「グエッ」
と言いながら、その指示を聞いた『スピードリザードマン』が、ランコとの戦闘を中断して、後ろにジャンプした。
「避けた??」
と、サラが驚く。
そう、サラの言う通り『スピードリザードマン』はレンコの糸を避けた。
「うん、それだけじゃない・・・」
と僕が呟く。
「え??」
とサラが僕に返す。
『スピードリザードマン』が避けた、レンコの『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』の糸は、その先にいた・・・
『パワーリザードマン』に当たった!!
「まずい・・・!」
と、傘使いのリンコが言う。
その様子からその先の展開が予想できたのだろう。
しかし、この距離ではサポートに行くことが出来ない。
「グエェェェェ」
と、一瞬ニヤリと笑った、『パワーリザードマン』が叫ぶ。
「え!?え!?」
と事態を飲み込めていない、レンコが呟く。
『雷化武器 - サンダライズ』を使う余裕すらない・・・。
そして、糸で繋がれている、レンコが・・・
『投げ飛ばされた』
「『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』の糸は、自分より軽い相手に使えれば引き寄せられて便利なんだけど・・・」
と僕が言う。
「自分より重い敵に使うと『綱引き』に負ける!!」
と、『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』の糸の弱点を口にした。更に僕は言った。
「うーん、賢すぎるね『エースリザードマン』!」
と、僕は呟いた。
この状況を完全にコントロールしている『エースリザードマン』。
エースの名前は伊達ではない。
「グエェェェェ!」
と『エースリザードマン』の咆哮が響く。
さらに、戦闘は続く。
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