第二百九話『特殊武器の仕組み』
「すごいすごい!!おもしろーい!!夢が詰まってる!!ゲームの中なら怒られない!!」
とサラが興奮してる。
たぶん全部似たようなことを現実世界で試して、全部怒られたんだろうな、傘を投げたり、メジャーで剣道したり、ヒモで何かを取ろうとしたり、と僕は密かに思った。
「ふっふふー!これが私達の戦い方なんだからね!!」
と、ギザギザの剣の使い手ランコは微笑んだ。
「そっかー、ゲームの中なら、こういうことやっても怒られないんだなー!」
としみじみと、なにやら思い出しつつ感動している様子のサラ。明らかにやんちゃ少女であるサラはいろいろ試してきたのだろうな・・・と僕は思った。
「みんなの武器は、手元にボタンが付いてるの?」
と、僕は気になっていた事を彼女達に聞いた。
機械的な動きをしていたのでとても興味があった。
「そうなんだからね!!ほら!!」
とギザギザの剣、『連結中剣 - チェインソード』の使い手ランコがやって見せてくれる。
「なにもしないと、剣モード!そして、ボタンを押すと、チェインモード!」
と、彼女が言いながら、『連結中剣 - チェインソード』の手元でガチャッと重そうなボタンを押すと、手元に向かって、働いた力が、抜けて、それぞれの刃がフリーになる。
「そして、また剣モード!なんだからね!!」
と彼女がもう一つのボタンを押すと、キュルルルルル、と、手元の中に、そういう巻取り機能が入っているのだろう、そして、多分、このタイミングでフリーにするために、押していたボタンが元に戻っているはずだ。
「やっぱり、巻き尺、コンベックスのイメージだね」
と僕が言う。
なかなかおもしろい仕組みだった。
巻き尺と一緒だから、理解しやすいし、さすがの『ラスト・オンライン』だった。
「私のも似た感じ!」
と、『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』の使い手のレンコも言いながら、武器をこちらに見せるために向ける。
「こうするとハサミが開く!」
とガチャン、と手元のボタンを押す。
籠手は、中に手のひらを通すようになっている。すると手のひらに、掴むところがある感じになるのだろう、そこに幾つかのボタンがあって、ハサミを開く、閉じる。糸を出す。などを行うようだ。
「おもしろいなー!最新の、電気制御全開の感じじゃなくて、むかーしの、テレビとか、背風機とかの、ガチャンってなるタイプのボタンみたいだねー」
いいなぁ、かっこいい!と思いながら僕は言った。
「ふっふっふ、いいでしょ!だけど、そんなこと言ってる場合なのかな!?先に私達全部倒して、先にいっちゃうんだからね!!」
と『連結中剣 - チェインソード』の使い手のランコは言った。そう、彼女達は出てきた『ガーゴイル』3体のうち2体をすでに倒していた。
一方僕達は、一体も倒していなかった。
「そうだね!僕達も『ガーゴイル』をたおそう!」
と僕が言う。
「よっし!今度は私達の番ね!!」
とサラが言った。
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