第百四十二話『恐怖と脱出』

「そして、数字が1に戻ってる」

と僕が呟く。


「やっぱり、『道を間違えると、最初からやり直す』ステージだったね」

と僕が呟いた。

そう、ホラーの定番、『間違えると最初から』ステージだった。



「ぎゃー!!」

「ぎゃー!!」

美少女格闘家のサラと美少女剣士の珊瑚が逃げ惑っている。


「さすがに、この数は大変だな・・・」

と、ふたつ目の部屋で、ドアを間違えたペナルティとして、1の部屋に戻された上に、わらわらと白いお化け『ゴーストエレメンツ』が現れたのを見て僕が言った。


「ファイヤー」

「ファイヤー」

「ファイヤー」

奈緒子、水晶、瑠璃が基本の炎の呪文を、『ゴーストエレメンツ』に放った。


それぞれ別の『ゴーストエレメンツ』に当て、倒した。


「ジュンさんがやったみたいに、良くみてれば倒せますね!」

と美少女魔法使いの奈緒子が言った。


そう、『ゴーストエレメンツ』はスキル『透明移動 - インビジブルムーブ』で透明になることが出来るだけで、その効力が切れた瞬間はスライム程度の強さしかない。


「ぎゃー!!」

「ぎゃー!!」

とサラと珊瑚はまた逃げ惑っている。


「流石にこの数はキツイな・・・」

と言いながらSSSランクの武器『神の剣 - デュランダル』

を振り、サラたちを脅かした後実体化する『ゴーストエレメンツ』を倒す。


「なかなか大変ですね、『ファイヤー』!」

と奈緒子も言いながら、『ゴーストエレメンツ』を倒す。


「この数はなかなか大変ね・・・珊瑚ちゃんは役に立たないし・・・『ファイヤー』」

と水晶さんが言いながら『ゴーストエレメンツ』を倒す。

そう、いつもなら、こういう弱い敵がたくさん出た場合は珊瑚とサラがじゃんじゃん倒してくれていた。


「しょうがない、代りに私が頑張る。『ファイヤー』」

と瑠璃ちゃんが言う。

なんだかんだで珊瑚に優しい瑠璃ちゃんだった。


「よし、全部倒したね!」

と僕が言う。ふたつ目のドアを間違えたペナルティで出た大量の白いお化け『ゴーストエレメンツ』を倒した。


「よし、次に行こう。最初は『赤』のドアだ」

と赤のドアをくぐって、2のドアにたどり着いた。


「もー、なんで、戻っちゃうのよーー!!怖すぎるし!!」

とさっきの事を思い出したサラがゴースト・ハウスに文句を言っている。


「それは、『ゴーストハウス』が怖いからだね」

「怖いから?」

「そう『脱出』の要素が大きくなるんだよね、怖いから」

「あー、なるほど!!」

「怖いから速く出たい。そういう人にとって一番怖いことは?」

「出れないこと!!」

と僕とサラが言う。

たしかに、怖い・・・なんとかして欲しい、とぶつぶつとゴーストハウスに文句を言うサラ。


「さ、早く出よ!!早く出よ!!」

と、ふらふらのサラが赤の扉を開けようとする。


「サラ!『赤』じゃない!!」

「おっと、いけね!!」

ふらふらしているサラが間違えて赤のドアを開けようとしていたのを注意したところ、パッと、赤いドアから手を離した。


「あぶないなぁ!」

と言いながら僕が青いドアを開けた。

てへへ、とサラが笑っていた。可愛いから良しにしようと僕は思った。

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