第百三十二話『モンスターボックスの使い方』
「それだったらあれやな『モンスターボックス』やな」
珊瑚はニコッと笑って教えてくれた。
「『モンスターボックス』!?」
サラが新しい単語に目を輝かせて聞いた。
「これや!」
と、珊瑚が取り出す。
そこには、四角い立方体があった、それを両手で構えて見せてくれる珊瑚。
多分、パカっとあくのだろう。
真ん中が開く宝石箱のようなものだろう。
「この中に、『騎乗 - ライディング』できる動物がはいってんねん」
と言う。
わりとざっくりした説明だったが、僕と魔法使いの少女奈緒子はRPGやゲームをやり慣れているのでなんとなく理解できた。
しかし、ゲームをやりなれていないサラには不思議な概念かもしれないな、と、僕はサラを見る。
「ほほー!」
とサラが言う。
ほんとにわかっているかは少し怪しい時の、振る舞いだ。
「ほんとにわかってる?」
と、僕がサラを見て笑う。
「いや、あんまり!形がかっこいいな、って思ってた!」
とサラが笑う。
サラらしい感想だった。
「ネコ型ロボットの四次元的なあれだよ!」
と僕が説明する。
それはそれで、ざっくりな説明だが、これが一番分かりやすい気はする。
「その箱の中に無限の空間があるんですね!」
と魔法使いの少女奈緒子も言う。
「あー、うん?なるほど、わかんない!」
とサラが笑って言う。
「よし、じゃあ、やってみよか!」
と珊瑚が言う。
サラには説明するより、やってみせたほうがわかるだろう、とやってくれるようだ。
そう、サラはカンはいいのだ、見ればわりとすぐ理解する。
「よっ!待ってました!」
と、おじさんのような掛け声で喜ぶサラ。
「ふふふ、見とれよ!オープン!」
と言って、『モンスターボックス』を開く珊瑚。
すると、箱の中が光り出し、そこから、モンスターが登場した。
「おおおお!出てきたー!!」
とサラが喜ぶ。
そこに出てきたのは、『仔竜 - ミニドラゴン』。D級英雄ランク戦、第四チェックポイントに出てきた、ミニと言うには大きい『仔竜 - ミニドラゴン』だった。
「あー、このドラゴンちゃんは!!」
「そうや!すごいやろ・・・なかなか大変だったんやで!D級英雄ランク戦に出てきたドラゴンや!ドラゴンや!いいやろ!」
と、D級英雄ランク戦を思い出すサラに、微笑む珊瑚。
「『一人乗り』ドラゴンちゃんだ。いいなー!!」
と、うらやましがるサラ。
しかし、その言い方が気になった珊瑚。
「ん?『一人乗り』??。わざわざ、一人乗りってつけたな、今。ちょっと君ら、一体何をゲットしたんや?」
とサラの発言から、なんとなく気がついた珊瑚。
その珊瑚に、一歩下がって、一緒に飛んできた、巨大な龍を手で紹介するサラ。
「こちらでございます!」
と謎の敬語を使う。
そこには、黒く大きな巨大な龍がいた。
「ほんと君らなにもんなんや・・・」
と元A級珊瑚が、D級英雄ランク戦で勝てなかった『大龍 - ワイバーン』を見て呟いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます