第百二話『まちをでたらまものがいるぞ!』

「それはもちろん手当たり次第に・・・村人に話しかける!!」

そう、僕らは初心に返り村人に話しかけて情報を集めることにした!それがRPGの大原則、村人に話しかけて情報を増やして、どんどんフラグを立てて、イベントを発生させて進んでいく。それがRPGの基本だ。


僕らは、家でいろいろな家具やゲームを確認し満足して、街に戻ってきていた。格闘少女サラの提案で次は「騎乗 - ライディング」を覚えようということになっていた。


「よし、早速話しかけてみよう。『ここは『始まりの街』だ』しか言わない街の人とか『外に出ると魔物がいるぞ』しかいわないような人はいるかな?」と僕がRPGあるあるを思い出しながら、奈緒子に言う。


「あははは、必ずいるんですよね!岩が置いてあって通れない道とか、どいてくれなくて通れない道とかも最初にあるんですよね」と奈緒子もRPGあるあるを言う。そのあるあるはドット絵時代のRPGあるあるだ。奈緒子さんは結構なRPGマニアかもしれない。


「よし、話しかけてみよう」と僕が行って、気の良さそうなお兄さんのところに駆け寄って訊ねる


「あのー、『騎乗 - ライディング』覚えたいんですけど、どうしたらいいですか?」と僕が聞く。

「おー、兄ちゃんたち、『騎乗 - ライディング』覚えたいのか、だったら、そこ、まっすぐ行って、右にいくと、馬小屋があるから、そこで話を聞いてみるといいぞ!」

と、かなり自然に、会話が成立した。僕の質問を汲みとって、必要な情報をくれた。


「すげー!!ペラペラだ!!」

「日本語ペラペラですね。ほんとにNPCノンプレイヤーキャラクターなのでしょうか!」

と、RPG好き僕と奈緒子は盛り上がった。


「なんのこっちゃ?食堂のおばちゃんもペラペラだったよね?」

とサラが思い出して言う。


「はっ!そういえば!!」

と僕ら二人がも思う出す。


「たしかに、『ラスト・オンライン』には何回聞いても『ここは『始まりの街』だ』しか言わない街の人とか『外に出ると魔物がいるぞ』しか言わないような人がいない・・・」

「食堂のおばちゃんもペラペラでしたね、プレイヤーキャラクターと遜色ないくらいに」

と、僕と奈緒子が思い出す。


「それって凄いの?」

とサラが聞く。最初に見たゲームがこれだったらその凄さがわからないのも無理がない。


「すごいよ!人間と区別がつなかい、AIって、30年以上前からのゲーム開発の夢だよ」

「へー、どうやってるんだろう」

とサラも気になったらしい。


「そういえば、記事で読んだことがあったかも・・・僕らの行動を使って、学習してるんだったような」

「え、なにそれどういうこと?」

僕の説明に、更に頭の上にはてなが浮かぶサラ。


「つまり僕らの行動をジャンルわけして、蓄積してるんだ」

サラはなんのこっちゃ、という顔をしていた。


そして「なんのこっちゃい」と、

サラはそのまま表情と同じことを口に出して笑った。

僕はさらに詳しい説明をすることにした。

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