第九十三話『ゴーレム御一行様』

「よっしゃ、また倒した、これで何体や?!」

「97体だね」

珊瑚が僕に訪ね、僕が答えた。300体いるゴーレムを97体倒していた。このゴーレムクエストも、ようやく1/3が終わろうとしていた。


「ところで、『ゴールドゴーレム』って、探さなくていいの?」

サラが思い出してそう言った。『ゴールドゴーレム』を倒して、一気に大金ゲット!!という作戦だったのを思い出した。いまのところ97体のゴーレムを倒しても、それらしい気配がまったくなかった。


「あ、そういえば、すっかりゴーレム討伐に夢中になって忘れてた。」

と僕が本音を言う。久しぶりに、おもいっきり剣が振れたので楽しくてすっかり忘れていた。


「そうだよね。これって、ゴーレム全部倒さなくても、『ゴールドゴーレム』一体倒したら、達成のクエストじゃないの?」

「そやで」サラの質問に、あっさり応える珊瑚。サラの考えはあっていた。わかっていたということは、これが最善だということなのだろう。なんとなくその理由も検討がついた。


「けど、見つける方法ないねん、全部倒したほうがいいやろ」「なんたるアバウト」と笑う僕。でも他に手があるかいな、と言う珊瑚。


「おびき寄せアイテムとかあるかもね。金きんが好きなものってなんだろう。金を呼び寄せるアイテムがあってもよさそう」

「うーん、思いつかんなー、なんやろー」と、僕と珊瑚が、ゴールドゴーレムを呼び出す方法を考えている。だいたいこういう倍はおびき寄せるアイテムがあるものなんだけど、いまの僕達にはまったく思い浮かばなかった。


「ま、いっか。もう1/3倒したし、このままやってたら、すぐ終わるよね」とサラが考えを改めた。


「お、そうこう言ってたら、団体様到着やで」そう珊瑚が言うと、そこには、およそ50体くらいのゴーレムが現れた。


「50体くらい?」とサラが僕に聞く

「約47体くらい」と即答する。グループ分けして、数えた。たくさんのものを数えるのも僕は得意だった。


「あれ??それも、もしかして、約じゃないのでは、数えたんですか?もしかして、この一瞬で」と奈緒子が推測しておどろく。

「まあね、これもコツがあるんだよ」と奈緒子に応える、詳しい内容は説明すると長くなるから、今度にしようと思う。


そして、グループでゴーレムと対峙した。


「リンクされたで」珊瑚がみんなに言う。注意しろ、戦闘態勢に入れ、ということだ。


この「ラスト・オンライン」には、対決相手がリンクされて、そのあいだは、他のチームは戦闘に参加出来ない、という仕組みがあった。


今回は僕らは6人組として登録してあるので、いま現れた、ゴーレム47体と僕ら6人がリンクされた。これで、6人同時にこの47体グループと戦うことができる。


「さぁ、みんな一気に行きましょう」

いままで、ゴーレム討伐成績のおとなしかった水晶さんが、そう言って戦闘態勢に入った。

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