第七十七話『郊外都市 - ライフエリア』
君らなら、A級なんて、すぐなれるやろ!
と、珊瑚は言って、ワープゲートを使って最後のフィールド『郊外都市 - ライフエリア』へと飛んだ。
「うわああぁぁぁぁん、私のお城たちぃぃぃぃ」と、買えない値段のお城達に嘆く、格闘少女サラ。もちろんまだサラの城ではない。
そんなサラをよそに、珊瑚はワープゲートを使って『郊外都市 - ライフエリア』に飛んだ。
そこには幻想的な風景が広がる。
湖と森の世界、その中に、現代とファンタジーの中間のような、かわいらしい住宅が並ぶ。
先ほどまで、嘆いていた、サラがケロリと泣き止み。
顎に手を当てて、その様子を見渡す!!
「ほ、ほう、これはなかなか」
と、まんざらでもない様子のサラ。
「切り替え速!!」
と僕が思わずサラに突っ込む。
「我々、与えられたもので楽しんでいくしかないのだよ、ジュンくん」キラーンと目を光らせ、いきなり聖者のような口ぶりになる、サラ。
その口調にも飽きたのか、珊瑚に訪ねるサラ。
「ここは、買える?」
「買える!買える!5000万ゴールド持ってれば、かなり良いのが買えるで!!」珊瑚はサラにそう言う。5000万ゴールドというのは、前回の『D級英雄ランク戦』で手に入れた報酬のことだ、同時に『土地購入許可証』も手に入れてある。
「いろんな、種類のお家がありますね。わ、みんなお庭がついている!!」と、魔法使いの少女奈緒子もテンションが上がってきたようだ。
「サラちゃん!あれ見て!!ブランコがありますよ!!」
「ほんとだ!!いいじゃん!!『郊外都市 - ライフエリア』めっちゃいいじゃん!!」と今までの嘆きはなんだったのかくらい、いつものテンションを取り戻すサラ。
「城はもういいの?」と僕が笑う。
「城も手に入れる!!いまはここの素敵な家を手に入れるのだ!!」と走り出したサラ。待ってくださいサラちゃんと、奈緒子も一緒に走って行った。
「どうやら、ここ『郊外都市 - ライフエリア』できまりそうやな」と、珊瑚がサラの元気が戻ったことに、うんうん頷きながら、僕に言う。
「すっかり、サラの元気が戻って良かったよ。連れてきてくれてありがとう!」と僕が素直に感謝の言葉を伝える。
「な!!」と、珊瑚が驚いたポーズをとる。
「照れてる」と瑠璃が言う。
「照れてないわ!!」と抗議する珊瑚。
「まあ、お礼やな、ワイバーン倒してくれてありがとな、うれしかったで」と珊瑚も素直に僕に言う。
「うん」
「その姿が、かっこよかったのよね」と水晶が言う。
「言うなや!!ま、でもそうやな、かっこよかったで」
「デレた」瑠璃が言う。
「デレてないわ!!」
珊瑚が顔を赤くして、言う。
気を取り直して、サラ、奈緒子に呼びかける。
「サラ、奈緒子、外装もいいけど、中も見たくないか!?」
「みたーい!」
「見たいです!」
即答する二人。
「あ、もしかして?」僕が気がつく。
「珊瑚ちゃん家もここにあるの?」サラも気がついたようだ。
「そうや、うちらの家も『郊外都市 - ライフエリア』にあるんや!」
「行きたい!行きたい!」サラがピョンピョン跳びはねる、すっかり元気になったようだ。
「よっしゃ、うちに案内したるわ!!」
そう、僕らは元A級チーム「ジェムボックス」の珊瑚たちのお家に遊びに行けることになった。
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