第六十四話『戦闘開始』
そう、この「D級英雄ランク戦」最後のボスは「大龍 - ワイバーン」だった。
全滅した珊瑚たちがスタート地点に転送されようとしている。その状態の珊瑚が無理やり声を出し、僕らに告げる。「このまま戻って、逃げるんや、これは、君らが勝てるような相手ちゃうで」珊瑚が最後の力を振り絞って僕に告げる。
その声を無視して、珊瑚たちのチームと「大龍 - ワイバーン」のリンクが消えるのを待つ。この「ラスト・オンライン」は同時に別のチームが敵と戦うことができない。そのためリンクという概念がある、繋がってる物同士だけが戦闘できる。
その、「大龍 - ワイバーン」と珊瑚たちのリンクが、珊瑚たちの全滅により、外れる。転送までしばらくかかるため、転送より、リンクの解消の方が先に起きるようだ。
そして、僕達と「大龍 - ワイバーン」がリンクする。
「あぁああ、だから逃げろ言うたのに」珊瑚が叫ぶ。
「そういうわけには行かない!!」と僕は珊瑚に叫ぶ!
「君らの戦いを見て、そういうことは出来ない!!逃げるわけには行かないんだ!!」とさらに僕は叫ぶ。
僕らは、すでに「大龍 - ワイバーン」との戦闘開始位置まで近づいていた。すでに戦う覚悟があったからだ。この珊瑚たちの状況を見て帰ることは出来ない。
そして、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」を構える。キイィィィィンという音が響き、「 神の剣 -デュランダル 」に光が集る。
「疾風!!」
SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」の更にレアスキル、「目が届き、障害物がないすべての範囲」に攻撃が出来る『疾風』を発動させた。
その刹那、その剣戟は「大龍 - ワイバーン」の右翼に当たった。右翼にダメージが発生する。99,999とカンストの数字が表示され、「大龍 - ワイバーン」の右翼が消滅した。
「ま、まじでか?!あれだけびくともせんかった、『大龍 - ワイバーン』の羽が消滅した!?」珊瑚が驚いている。僕らは間に合わなかったので見ることはできなかったが、多分、瑠璃、珊瑚、水晶の方もいつもの総攻撃で戦っていたが効かなかったのだろう。
「き、君ら何もんなんや??」珊瑚が叫ぶ。
「何者でもないよ、通りすがりのドラゴンハンターさ!」
僕は笑って答えた。
「ジュン・・・」珊瑚の声がかすれていく。
「先に行って休んでてくれ、珊瑚たちの仇は僕らが取るよ!」
「そうだよ珊瑚ちゃん。」
「任せて下さい」奈緒子もそう言った。
それに応えるかのように「ありがと・・・」と、そこまで言うと転送が始まり、珊瑚達はスタート地点まで飛んでいってしまった。
珊瑚の方を振り返らずに僕はワイバーンの方を睨んだ。
「さあ、ドラゴン退治と行こう!」
元A級の珊瑚たちをあっさりと全滅に追いやった、「大龍 - ワイバーン」に対し、逃げることもせずに、戦うことを選択した僕ら。僕がみんなに言った。
「よっし」
「はい!」
サラと奈緒子も構えた。
ついにD級英雄ランク戦の最終ボス「大龍 - ワイバーン」との戦が始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます