第三十〇話『森の道のボス』
「アーマードゴブリンだ!」
武装をしたゴブリンが現れた。
しかも、1体ではなかった、なんと4体同時に現れた。
難易度がいきなり上がってきた。
やっと、レベル14にふさわしい所まで来たようだ。もしかしたら、レベル14では、早すぎるくらいの場所かもしれない。その位アーマードゴブリン4体は強い。
よく考えたら、僕らはまだコンビネーションの練習もちゃんとしていなかった。それぞれが別々に戦って倒してきたのだ、これは、いきなりレベルが14、15、16に上がってしまった弊害とも言える。初心者用のモンスターなら、全員一人で倒せるようになってしまっていたのだ。
「アーマードゴブリンはかなり強いよ!さっきのゴブリンが『ただ鎧を着ただけ』だとは考えない方がいい!」
と、僕が二人に注意を呼びかける。いきなりの強敵に緊張が走る。僕がSSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」を持っていたとしても、一度に全員を倒すことはできない。攻撃力が高いだけでは、倒せない相手だ。
アーマードゴブリンの容貌はまさしく、鎧を身にまとった、ゴブリンなのだが、知能も上がっていて連携攻撃をしてくるという。アイテムを使ってくることもあるという。
「4体というのもあなどれない。兵法の書などでは、人数が4倍になると、強さはその2乗。16倍強くなると言われているんだ!」
「なるほど、攻撃と防御があるからでしょうか。とくにRPGだと、その傾向は高まる感じがします。」
と僕の話を実体験から理解する奈緒子。
「なんだか難しいことはわからないけど、つまり気をつけて戦ったほうがいいってことね!!」
とサラは楽しそうに笑う。腕を後ろに伸ばし、ストレッチをする。ストレッチをしているときのサラは本気だ。
「そうだね、たぶん彼らは、この『冒険者の街』へと続く『森の道』の門番、つまり、ボスだ」
と僕が推測する。さすがにいきなり強くなりすぎなのと、そういえば、『冒険者の街』が見え始めていた。最初のボスといえるだろう。「ドラゴノス」は勝手に倒してしまったので例外だった。
「ボス!!噂のボスきた!!RPGっぽくなってきたってことね、それは面白くなってきたわね。」
と、いつもより多目にストレッチをするサラ。
「よし、私から行くわね!!とりゃ!!」と、いきなりアーマードゴブリンに飛び蹴りを当てるサラ。
アーマードゴブリン(1)は吹き飛ばされる。
「いまのうちに、僕も一体倒しておこう!」
そう言うやいなや剣を構える。
キィン、キィンと効果音がなり、青いオーラが、「 神の剣 -デュランダル 」を覆う。
『疾風!』
SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」につくさらにレアスキル、視覚範囲の好きな場所に攻撃を与えられる疾風を繰り出した。
「99,999」のダメージ。
そうアナウンスされ、一体のアーマードゴブリン、「アーマードゴブリン(4)」が消滅した。
「よし、一体目!これで『3:3』」
なんとか人数的に互角のところまで持ってきた。
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