第六話『魔法使いの少女』

「じゃあ、Lv1同士よろしくね」

二人のステータスを確認したあと、サラがそう言った。


僕らが話しているころ、じっと見つめる少女がいた。


「あのー。」

と、恐る恐る、その少女が話しかけてきた。

少女は、大きな丸い眼鏡をかけて、黒いローブを纏い、いかにも魔法使いという出で立ちだ。


「はい」

と、僕が応える。


「勝手に聞いてしまったんですけど、あなた達も、レベル1なんですね!!」

と、明るい声で話しかけてきた。

この世界の、見た目と違って、元は明るい少女なのかもしれない。


「私も、パーティーを組みたくて、人を探していたんですが、良かったら、私も仲間にいれてくれませんか?」

と、魔法使いであろう少女が提案してきた。


「もちろん、もちろん!」

サラが、僕が返答するのも待たずに、すぐに快諾した。


「私達で良かったら!ね、いいわよねジュン!」

とサラは事後承諾を僕に求めてきた。

もちろん断る理由はなかった。


「もちろん!剣士と格闘家だけじゃ肉弾戦ばかりのチームになっちゃうしね、とてもうれしい申し出だよ!」

と僕は応えた。


「やた!」

と、その魔法使いの少女は小さくガッツポーズをした。

その動きを見ていて、気がついた。彼女は、眼鏡に黒いローブとおとなしい出で立ちなのだが、プロポーションが良いことが分かった。くっきりと、出るところがでているタイプだ。サラは逆に運動に適した、少女らしい体系といえる。


と、良からぬ事を考えていると

「ちょっとー。どこみてんのよ!!」

とサラがエルボーで僕の視線に応えた。

痛い、エルボーは痛いよサラさん。


「なんのことかな??」

と、僕は吹けない口笛を吹くフリをした。

全部見られていたようだ。


「こんな男の子はおいておいて、そうだ、あなたのお名前は??」

サラにそんな男扱いされた、まあ、そのことは置いておくとして、サラはその魔法使いの少女に名前を訊ねた。

確かにまだ名前を聞いていなかった。


「奈緒子です!よろしくお願いします!」

と、魔法使いの少女、奈緒子は応えた。

「私はサラ、こっちはジュン」

と、サラは僕の分まで勝手に自己紹介してくれた。

ありがたい。と皮肉っぽい表情を見せたが完全にスルーされた。


「今度は本名言わなかったね」

と僕は、サラに突っ込んだ。


「そのことは、もう言わないの!!私も成長したんです!!」サラは抗議したあと、エッヘン、と胸を突きだし、腕を腰にやった。


そのポーズをみて、僕はまた良からぬ事を考えつぶやいた。

「やはり」

と、つぶやくと、サラは気がついたのか、ハッと胸を隠した。

「これだから、ジュンは・・・・・・」

と呆れられた。


その様子を見ていた、奈緒子は苦笑いを浮かべていた。


「ま、そういうわけでよろしくね!」

と、サラが気を取り直してそう言った。


こうして、僕達は三人の、剣士、格闘家、魔法使いの三人パーティになったのだった。

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