第2話 異世界
セイの視界から眩い光が消え目がハッキリと回りの景色を捉えた。
セイの目の前に広がるのは木々が生い茂る森の中だった。
「どこだ?勇者召喚なら大抵は城に召喚されるはずなんだが。それに俺以外誰もいないし。」
おそらく俺の魔力が大きすぎて魔法陣がバグったか?
とりあえず周りを確認するか・・・
辺りを見渡しても、木、木、木、木しかない。
マナは街よりも豊富、と言うのはこの世界の人間では誰でも知っていることだ。
それにここは、よくある普通の森のようだから近くに街があるだろう。
なら、そっこく情報を集めに街に行くか、俺が帰ってからの時差とかいろいろ調べたいことが多いからな。
セイはこの世界では目立つ黒髪を元の白髪に戻す。この世界でも目立つ方だが黒髪よりは目立たないだろう。
自分自身に風属性の強化魔法【付与術風 】をかけておく。
この魔法は風の力によって自分自身の動くスピードをあげる事ができる魔法で、風属性の適正さえあれば誰でも取得する事が出来る魔法である。
服装も地球のものからこの世界で使っていた皮鎧にし、腰にはアジダカーハを吊るして準備は万端になると強化した足で地面を駆け抜ける。
走りはじめて五分、セイの目の前に巨大なサルのような魔物が姿を表す。
こいつの名前は見た目道理、ジャイアントエイプ。
冒険者ギルドのランクで言うと単体ならCランク、集団ならBランクの魔物である。
「おまえなんかにアジダカーハは必要ない、邪魔だから死ね。」
セイは無詠唱で地属性、上級魔法【大地の槍】を発動させる。
岩で出来た槍は回転しながらジャイアントエイプの額を貫き後ろに生えていた木に突き刺さる。
セイは手慣れた手つきでジャイアントエイプから魔石だけを取り出し、死体を炎で焼き尽くす。
こうしなければこの世界では死体はアンデットとなる。
アンデットになると聖属性の魔法で浄化するか、炎属性の魔法で墨になるまで焼き尽くさなければならなくなるのだ。
「はぁ、ジャイアントエイプってこんな浅い森に出現したっけな?これも今回の勇者召喚と関係してるのか?」
セイは疑問を抱きながら再び森の中を駆けて行くのであった。
あれから二時間後セイは森を抜け街道を歩いていた。
遠くにはぼんやりと街の城壁が見えるが夜は街に入れないため今夜は野宿になるだろう。
街道の脇にセイはテントを建て始める。テントが出来上がると次は火を起こす。
そのあと、アイテムボックスから食料を取り出す。アイテムボックスの中は時間がたたないため食料を保存しておくのが出来るので便利なのだ。
干し肉と水をとり出し口に入れエネルギーを補給しておく。
食事が終わるとテントの回りに魔物避けの結界を発動させておく。
そのあと、セイはテントに入り眠りにつくのであった。
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