第 二十六話 朝食
朝の鐘(地球時間で午前八時)がなる時間。セイとティファニアの部屋の戸をミクはコンコンとノックする。
「ヒジリくん、起きてますか?朝ごはんの時間ですよ?」
「ん?あぁ、開けるわ、入ってきてくれ」
そう言ってセイは鍵開けの魔法【アンロック】を発動し鍵を開ける。
「おはよう、さっきも言ったけど朝ごは・・・きゃっ!な、何してるんですか!?」
今、セイはベッドの上で上半身を持ち上げ座っている状態だが、その腰には熟睡中のティファニアが抱きついてベッドから起き上がれない状態だった。
ティファニアは寝相が悪いようでかなり乱れている。
ミクは男女のこのような関係のことは本でしか知らなかったので顔を赤らめてイケない想像をしてしまっている。
「ん?顔赤らめてどうしたんだ?あ、これか、こっちじゃこれくらい普通だと思うぞ?あんま気にしすぎると気に滅入るぞ。」
「は、はい、じゃあ、私先行きますね!ティファニアさん起こして来てくださいね。私とクリスさんは食堂で待ってますから。」
セイは「はいよ」と返事し、ティファニアを起しにかかる。
ミクはセイがティファニアを起こしている間に顔を赤らめてながら食堂へ走っていく。
「おーい、ティファニア起きろ。起きないと朝ごはん食べれないぞ」
「んんん、もう朝ですか?あっ、セイさんおはようございます。」
「ん、おはよう。さっきミクさんが朝ごはんの時間だって起こしに来てたから早く着替えろ、お前が抱きついてから俺も着替えれてないから、とりあえず、離してくれ。」
「あ。はーい」
セイはアイテムボックスから平民がよく着る服を取りだし、着替える。
今日はギルドで仕事は受けないつもりなので防御は関係ないような服を選んだ。
ティファニアは鞄から昨日着てたような服を取りだし着ている。
はぁ、今日は服飾店にティファニアの似合いそうな服買いに行くか、ついでに俺も服を買ってくか。
「さ、着替え終わったし、顔も洗ったから食堂行くぞ」
「はーい」
食堂に着くとクリスとミクはすでに食事を取り始めていた。
「おはよう。おっ、今日の朝ごはんはうまそうだな!」
二人が食べているのは黒パン、玉葱のスープ、ステップラビットの焼いたもの、味付けはシンプルに塩のようだ。
「女将さん、朝食二人前お願い!」
「はいよ、ちょっと待ってね、今持ってくから。」
女将に声をかけて一分ほどでティファニアとセイの前に朝食が置かれ二人は食事を取り始めた。
「のう、セイ。今日はどうするのじゃ?」
「あぁ、そうだな、俺はティファニアの服を買いにいくつもりだ。コイツ、おんなじようなものしか持ってないからレパートリー増やそうと思ってな。」
「なるほどじゃな、確かにいつも同じようなのしか来とらんの。」
「そう言う二人はどうするんだ?」
「ふむ、なら妾達は王都を回ろうかの、昨日美味しいお菓子の店を見つけたから行くつもりじゃ。」
「ふーん、ミクさんは・・・どっち着いてく?それとも、一人で回る?」
「うーん、私はクリスさんと一緒に行くわ。二人の邪魔したくないしね。」
「了解。午前中は2つに別れて行動だな。午後はギルドに馬車を引き取りに行くから昼の鐘(地球時間で午後0時)にここの食堂な。」
「わかったのじゃ」
「わかったわ」
話し合いが終わるとすでに食事を食べ終わっているクリスとミクは一度荷物を纏めるため部屋へと戻っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます