エピローグ

エピローグ


「マンガ家としては、橘先生にライバル視されてないのかな……?」

「きっと、神田くんのマンガを読んだことがないのよ。神田くんのマンガを読めば、ライバル視せざるを得ないと思うわよ?」

「……そうかな?」

「ふふっ。そうそう」

「まあ、頑張るよ。せめて、ライバルとして意識させないとね」

「神田くんの画力は、大きな武器になるわ。単純な画力だけでなく、絵の見せ方も上手いしね」

「そう?」

「そうそう」

「……ストーリーはイマイチ?」

「イマイチってほどではないけど、神田くんの作品は、ストーリーよりも絵が魅力的なタイプだと思うわ。絵に関しては、あまり言うことないと思う。ストーリーや設定の部分は、打ち合わせで詰めていきましょう」

「うん。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします。神田先生」

「星崎さんに『先生』って呼ばれると、なんか恥ずかしいな……」

「ふふっ。──あ、そうだわ。打ち合わせだけど、今度からは別の場所の方がいいわよね? 邪魔されないように……」

「そうだね……。星崎さんは普段、どこで打ち合わせするの?」

「先生の仕事場が多いわ。みんな、ここの近くだから」

「そうなんだ」

「神田くんの仕事場は?」

「実家の自分の部屋だよ。ここから、割と近いかな」

「そうなの? 私も実家暮らしだけど、割と近いのよ。近いから、ここに就職したようなものだし」

「そういう理由だったんだ」

「高校も大学も、近場のを選んだくらいだしね」

「僕も、そういう感じだったなあ」

「ふふっ。似た者同士なのね、私たち」

「そうだね」

「それなら、今度は神田くんの家で打ち合わせする? 実際の作業の様子も見ておきたいし。お邪魔にならないなら……だけど」

「大丈夫。両親も当分帰らないみたいだから、親に打ち合わせを邪魔されることもないよ」

「それなら、神田くんと2人っきりで打ち合わせができるわね」

「そうだね。2人っきりだね」

「……」

「……」

 間。

((家に2人っきり!? デートもまだなのに!?))

「打ち合わせと称してエッチするのですわね?」←編集長

「「し、しませんよ……?」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る