2話:名もなき王の進軍

【主な登場人物と、あらすじ】

■主な登場人物


セイレン…土雲つちぐもの一族の娘。石媛の双子の妹として生まれた「災厄の子」。


雄日子おひこ高島たかしま高向たかむく両国の若王。淡海(琵琶湖)と北の海(日本海)の水運を司る。

角鹿つぬが…雄日子の側近。高向たかむくの太子だったが、放棄して雄日子に仕えている。

赤大あかおお…雄日子の守り人の長であり、護衛軍の長。

藍十あいとお…雄日子の守り人の一人。出自は高向たかむく

日鷹ひたか…雄日子の守り人の一人。出自は木の国の海人族。

帆矛太ほむた…雄日子の守り人の一人。出自は出雲いずも

黒杜くろもり…雄日子の守り人の一人。出自は高向たかむく


荒籠あらこ河内かわち馬飼うまかいの若長。軍馬や商い用の馬を司り、諸国を回っている。


麁鹿火あらかび…大王の護衛を務める物部氏の長子。荒籠の友人。

秦王・瀬李せり…秦氏宗家の主。河内湖の水運を司る。

和邇王・涼香すずか…和邇氏の長。泉川の水運を司る。


●前話「箱使いの娘」までの主な登場人物


平群真鳥へぐりのまとり…大和朝廷の大臣おとど。雄日子暗殺を指示する。

斯馬しば…平群真鳥の相談役をつとめる大和のみやの長。

柚袁ゆえん…斯馬の部下。


石媛いしひめ…セイレンの双子の姉。

水媛みずひめ…セイレンと石媛の祖母。「土雲媛つちぐもひめ」として土雲の一族を導く。



■主な地名について


高島たかしま…現在の滋賀県高島市。琵琶湖の北端あたり。雄日子の本拠地です。

高向たかむく…現在の福井県、九頭竜川流域を想定しています。角鹿の本拠地です。

淡海あわうみ…現在の琵琶湖です。

泉川いずみがわ…現在の木津川です。古代には「泉川」と呼ばれたと考えられています。

難波津なにわつ…難波港。日本初の人工国際港として栄えたそうです。「津」は港を意味します。

河内湖かわちこ…古代には河内平野に湖がありました。

河内かわちまき…「牧」は牧場で、馬を飼育しています。現在の大阪府四条畷市を想定しています。荒籠の本拠地です。

息長おきなが…現在の滋賀県近江八幡市周辺。琵琶湖の岐阜県側。雄日子の支配下にあります。

美濃みの…現在の岐阜県周辺。長良川など、河川の水運を使って下流域と交流していたと想定しています。

尾治おわり…現在の愛知県周辺。治水技術に長けていたそうです。

吾妻あづま…現在の関東の総称として使っています。飛鳥とは離れていますが、力をもった地方勢力がありました。




■2話<名もなき王の進軍>のあらすじ

※序盤(3章まで)のネタバレを含みますので、苦手な方は次ページへお進みください。




「きれいな人……草の神様?」

早朝の森で出会った青年に、セイレンは一目で恋に落ちた。

その青年の名は荒籠といい、多数の馬を育てる牧の若長だった。

念願の出会いを果たした雄日子と荒籠は喜び、荒籠は、雄日子に早馬の軍を貸す。

河内から和邇の地へ、それから飛鳥へ――。騎馬軍の進攻が始まる。


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