第16話 左四十五度斜め上の君
怒っているから 顔が見れないなんて
情けなくて言い出せないんだ
いつだって君の隣にいたはずなのに
今はどうしてだろう 怖いんだ
消えてしまえばいいのになんて
ずるいことも考えたりするんだ
友達に戻ろうとかってさ
君が歩いているのを見るだけで
泣けてくるから 無理だよ
左四十五度斜め上の君の横顔を
見つめて少し緩むんだ
そんな自分を思い出せば
消えた光 トクトク響く時間
ゆっくり動く君に合わせて
離れないように 近づかないように
それでも背中は向けないように
いつでも君と向き合っていられるように
したかったなあ
何もいらないから そういうほどに
君に酔っていた自分がいた
それは君も同じなんだろうって
思えば思うほど あの日に浸る
わざとそうしてくれてるんだろうな
そんな優しさいらないのにな
ねえ 目を合わせないのは少し寂しいな
大丈夫だよ
言わずに笑えば笑うほど
君を困らせたんだろうな
左四十五度斜め上の君の声が
穏やかに弾んでいれば
ここにいてよかったなって
同じ空間で沢山考える
その方向は二人それぞれで
離れては近づいて うなづいた
それでも知らないよなんて
その言葉で突き放すことはしないように
頑張ってたのになあ
胸元で小さな手握りしめることになっても
避ける自分が嫌だって言ったら迷惑かな
ああなのに こうなのにって
たくさん言い訳して たくさん泣いて
たくさん思い出して
独りで頑張れるから
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます