第27話 怪鳥
前回までの斬魔機皇ケイオスハウル!
佐助は帰ってきたナミハナから全人軍と呼ばれる組織の依頼を持ってきたという話を聞く。
ナミハナによれば全人軍は圧倒的な性能を持つ第四世代エクサスを量産する為の研究を行っており、ナミハナと佐助の二人にザボン島からはるか東にあるテート島への研究資料を運ぶ輸送船護衛を行って欲しいのだとか。
ナミハナとの話し合いの結果、佐助は邪神と人間の戦争を終らせる為にも全人軍に協力して、新型量産機の開発への協力を決めるが……。
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「ひとよんまるまる。周囲にはエクサスによる反応も、神話生物の魔力も無し」
「それは重畳。そのまま背後で警戒を続けてちょうだい。何か有ったらワタクシも即座に出撃します」
「ラジャー」
俺とチクタクマンはケイオスハウルを使って輸送船周りの哨戒活動を行っていた。
輸送船と言っても軍から依頼された船ではなく、ナミハナがギルドを介さずに個人的に受けてきた依頼だ。
訓練がてらということや依頼主とのコネが有るということで彼女がとびきり安く引き受けたのだという。ザボン島の高級な果物などをゴーツウッド諸島に運ぶ為の輸送船なのだとか。
「しかしこの無人機ってのは便利だな」
「そう? 単純な動きしかできなくってよ。まだお兄様が試験的に運用しているだけの段階だから数も用意出来ている訳じゃないし……」
「だとしても傍から見ればそんな違いは分からない。抑止力にはなる」
「それに単純な動きで今回は十分ですものね。賊の初撃を凌げばワタクシかサスケがカバーに入るわ」
「この様子だとしばらく敵は来ないぞ。お前もコクピットから降りて休憩したらどうだ?」
「何言ってるのよ、ワタクシに何か有ると輸送船のオーナーの身が危ういの。無理言ってねじ込んでもらった仕事で休んでる間にやられて役立たずなんて、ワタクシのプライドも許さないしね」
「……それもそうか。また何か有ったら連絡する。コクピット内だけどできるだけ休んでいてくれ」
「もっちのろんですわ」
先程からナミハナは七台の無人機とケイオスハウルを使って輪形陣を敷くように指示を出していた。ケイオスハウルは輸送船の背後を守っている。
ケイオスハウル程分厚い装甲が有れば不意打ちを受けた場合でも切り返しが可能だし、想定外の事態に対しても唯一の有人機として一番柔軟な動きができるからだ。
「サスケちゃんサスケちゃん?」
「うわっ!?」
「なによ驚く事無いじゃない!」
「ご、ごめん……」
考え事をしていると急にアトゥがケイオスハウルの前に姿を現した。
何やら気に入っているのか普段と変わらないお仕着せ姿にひっつめ髪で、普段の十分の一スケールになって登場である。
普通だったらおばさんっぽくなりそうなものだけど、そこは彼女自身の持つ若々しい雰囲気と柔らかな表情でそんなことを一切感じさせない。
それにしても……あの女神っぽい服はどうした。
「もう、失礼しちゃうわ。我輩ったらお屋敷で一生懸命メイドとして頑張っているのにこんな扱いなんだもの。ぷんぷん」
「そうか、それは大変だな。とりあえずナチュラルに俺の頭をいじるのはやめてくれ。どうせこれ幻影みたいなものだろう?」
「あら……ばれた?」
目の前からアトゥの姿が消える。
そう、最初に俺の前に現れたアトゥからは魔力を感じられなかったのだ。
いきなり海の真ん中に現れるなんて馬鹿なことをするとも思えないし、俺はアトゥが俺の脳内に直接イメージを送り込んできているのだろうと判断した。
「ワッツハッペンアトゥ? 召喚もされていないのに、いきなりコクピットに現れるなんてどうしたんだ?」
「どうしたもこうしたも無いわよ! あの爺さんに補足されずにサスケちゃんとお話するにはこうするのが一番なんですもの!」
俺が左目だけ機体との接続から切り離すと、そちらの方の視界に十分の一アトゥちゃんが映り込んだ。こっちからは魔力を感じる。
十分の一アトゥちゃんは俺の左肩の上でパタパタと足を揺らしていた。
「ケイ爺さんに捕捉されずに俺と話したいことってなんだ?」
「あのね、サスケちゃん。あとついでにチクタクマン。本当に第四世代の研究手伝っちゃって良いの? 戦力の拮抗が崩れると我輩達の仕事がやりづらくなる気がするんだけど」
「ハハハ、そんなことか?」
「そんなこととは何よー! 私だって愛するサスケちゃんの為に無い知恵絞ってるのに!」
「私はその辺りの判断はサスケに一任すると決めている。サスケが乗ったというならばそれは人間と邪神の戦争を終わらせる為に有益であると判断できる計画なのだろう」
「偉そうに言っておいてサスケちゃん任せなの!?」
「我々は労働を分担しているだけだ。君と違って付き合いが長いのでね」
「サスケちゃん! チクタクマンがいじめる!」
「チクタクマン、お前アトゥ相手だと性格悪いな」
「我々ニャルラトホテプの化身はお互い仲が悪いと相場が決まってる」
「ったくもう……じゃあ俺がアトゥの為に説明しておこう。第一に、まずもって人類は邪神に勝てないのでいくら戦力を拡充してもしすぎることはない。余計な被害を減らす為には高性能な量産機が必要だ」
「ちょっとサスケちゃん、それなんで? サスケちゃんなら私達の支援が有れば大抵の旧支配者……運が良ければ外なる神とでも渡り合えるわよ」
「俺が今まで邪神を観察してきた中での感想なんだけど、人間と邪神はそこの価値観が違うんだよな。俺個人がいくら強くても意味が無いんだけど……」
「価値観?」
「邪神の勢力は邪神さえ生き残っていれば幾らでも再生産可能だろ? 他の有象無象の奉仕種族は後から幾らでも生み出せる」
「え、当たり前じゃないの? だって神だもの」
「やっぱりそうだ。おい、アトゥ」
「なに?」
「これはお前を信頼して話すことだ。絶対に他所の神に口外するなよ」
「きゃー!? 我輩信頼されちゃってる!? なに! なに! ついにサスケちゃんからの愛の告白!? ぶっちゃけ来世までは無いと思ってたのに! やだもー案外大胆!」
俺は左腕のチクタクマンの宿る妖神ウォッチに視線を送る。
チクタクマンはウインクで返す。まあ俺とこいつの仲だ。今更言うまでもないのは分かっている。
アトゥが今さらっと俺が死んでも追いかけ回すつもりなことを匂わせていたが忘れよう。まじめに考えるとSAN値ピンチだ。
「良いかいアトゥ。人間は飯を食い、資源を集め、兵器を作らなければ戦えないんだ」
「えっ、ああそんなこと? そんなの戦えない人間に差し出させるなり、他の邪神から奪うなりすれば良いじゃない?」
「どちらも普通の人間にとっては非常に難しいことなんだ」
「そうなの?」
「そうなの」
人間の感情を理解できるアトゥでさえ、人間の社会や価値観についての理解はできていない。
あの邪神の力を持ち、人間の社会や価値観について理解できているのはまだナイ神父位だと見ていいだろう。
やはり……虚無教団は強敵になるか。まあ奴らを無力化する策も有る。
必要になったら使うだけだ。
「ふーん……面倒なのね人間って」
「とても面倒だ。邪神側が人間の戦略という概念を理解すれば今の拮抗はほぼ間違いなく崩れる。今の人類側の邪神対策は圧倒的な戦力を保持する個人に頼っている以上、守ることができる場所は限られているんだからな」
勿論狂信者の中にはシャルルみたいに戦術や戦略の概念を理解している連中も居る。だが邪神自体がそれを理解しない限り、邪神は何時迄も狂信者達の決戦兵器にしかなりえない。言い換えれば邪神はまだ人間の戦争の土台にさえ立っていないのだ。
だから人間は今まで助かっている。
……さて、一気に話しすぎてしまっただろうか。
アトゥは首を傾げて考えこんでいる。
だがしばらくすると顔を上げてパッと笑顔を見せた。
「……あっ、分かった! サスケちゃんは第四世代量産機が開発されたら一人一人の戦力が底上げされる筈だって言いたいのね!」
「それだけじゃないけど、それも大事なポイントだ」
「でもサスケちゃん、それはそれで問題が有るわよ? だって朝のお嬢様の説明を聞いていたでしょう? 第四世代エクサスっていうのは……」
そう、そこだ。
アトゥが問題だと考え、俺が解決策になると直感したポイント。
そもそも戦争を終わらせるなんてふわふわした目標、達成できる訳が無い。
現実的になるまで具体化させなくてはいけないのだ。
「ああ、ナミハナの説明が本当ならば第四世代には鹵獲した邪神の生体組織を使うそうだな」
「乗った人間がどうなるか……サスケちゃんが分からない訳ないわよね? 第四世代っていうのは貴方のその機械の身体の劣化版みたいなものよ。肉か歯車かの違いはあれど、その身は冒涜的な星空より来たりし智慧によって編まれたもの。普通の人間ならあっという間に狂って終わりよ」
「――――でも、それに耐える人間が現れる筈だ」
それが俺の狙いだった。
邪神の生体組織を用いたエクサスに乗り込む中で、邪神の力を受け入れて人でも邪神でもない存在へ至る人間が出るのではないか。
わかりやすく言おう。俺と似たような邪神と対話できる存在が現れるのではないか。
――――もし、そんな人々が現れたのならば人間と邪神の対話のテーブルが各地で用意されるのではないか。
俺がこの計画を思いついたのは
もしかしたら、第四世代を実用化していく中で彼らの価値が見直され、人間社会であの哀れな子供達に行き場が生まれるかもしれない。
そういう打算も含め、俺はこの第四世代計画に乗り気だったりする。
「ねえサスケちゃん、貴方はそれまでに何人犠牲にするつもり?」
「分からない……でもこれが俺にできる最善だ」
「……そうね、サスケちゃんがサスケちゃんなりによく考えているのが分かったわ。それに……そう、それにね、そうやって間接的にでも手を汚す覚悟を決めたサスケちゃんの方が我輩の隣にふさわしいわ」
「俺には俺の正義が有る。俺はお前の思う通りの存在になるつもりは無い」
「まあ生意気」
「見給えアトゥ、私の言うとおりだろう?」
「むぅ……反論しないけどチクタクマンに言われると我輩腹立――――」
その時だった。
ガコン、と大きな音がして機体が揺れた。
あとから追いかけてくる発砲音。
そして右目に投影されたメインカメラ映像の隅に有るマップに敵の表示が映される。
遠い。5km以上の距離からの狙撃だ。
流石に貫通力が高かったせいか、神経をつなげている俺も少しだけ痒かった。
「えっと、ナミハナ。敵だ。しかも湖猫」
「かしこまり――――ましてよっ!」
俺が報告するのとほぼ同時に輸送船の格納庫の扉が開き、船体後部からナミハナのラーズグリーズが出撃。一気に亜音速まで加速してレーダー表示された狙撃者のポイントまで突撃をする。
俺は二人の邪神の魔力を借りながら輸送船と無人機部隊を守る巨大な魔力障壁を展開した。アトゥが自前の魔力で勝手に来てくれたのは助かる。
遠慮無く二柱分の魔力を使って輸送船を守れる。
レーダーと魔力による探知とソナーによって五機のエクサスを確認。パルティアンショット、カラコールなど射撃戦や砲撃戦闘が中心の量産型ばかりだ。
狙撃手によってナミハナが釣り出されたのを好機と見てこちらまで接近してきたのだろうが、考えが甘い。
アサルトライフルやバズーカによる障壁への攻撃が繰り返されるが、その程度の攻撃では壁を削り切るまであと三十秒はかかる。
「
その間に敵のエクサスの一体の進行方向を予測して障壁の座標を指定。
狙うのはあのエクサスの首だ。
「
回転を加えて障壁を展開。
頭部パーツだけを障壁で隔離してねじ切った。
他のエクサスは迷わずに首をねじ切られたエクサスを連れて撤退を開始する。
深追いは無用だ。無人機が威嚇程度に逃げるエクサス達に射撃を行っているし、今の俺がやるべきことは次の攻撃への警戒だ。
俺はナミハナの様子をレーダー及びカメラで確認する。
「オホホホホホ! ワタクシのラーズグリーズに一発当てたいならレーザー兵器でも持って来なさい!」
分かっていたことだが、ナミハナは狙撃手の弾丸を全部正面から回避して狙撃手を一方的に追い詰めていた。
音速を超える弾丸が相手だというのに、未来予知じみた回避運動と殺人的急加速急減速の繰り返しで銃弾が掠る気配さえ無い。
「これで終わりよっ!」
狙撃手の蒼いエクサスに向けてドリルが伸びる。
「ちぃっ!?」
ナミハナはまるで歯医者の治療か何かのように、狙撃手のエクサスの武装をラーズグリーズのドリルで一つ一つ削り取っていく。
「おとなしくなさって! 一撃で済ませてさしあげるわ!」
だが一方で狙撃手の動きも巧みだ。
ナミハナの動きは全て一撃必殺を期したものであるにもかかわらず、狙撃手は細かな操作により損害を抑えている。
「ああもう! こんな小さな会社の船の警護にナンバーズが居るなんて聞いてないぞ? おい、お嬢! No.10! 俺だ! 前の会合で顔は知ってるだろ! この件からは手を引くから見逃せ!」
「知っていてよ! ギルドNo.13“鋼弾”リク・アヲノね! No.7の魔弾のおじさまの弟子でしょう? でもどうせだからその型落ちのパンツァーカイル、長瀬重工の最新型であるサイコパルティアンに買い替えるチャンスを上げるわ!」
パンツァーカイルと呼ばれたその機体は装甲を次々と剥がされていく。
激しく蒼海を揺らす金属音はまるで機体の悲鳴だった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛! やめろおおおおおお!!」
「何処の企業から依頼受けたのか吐いたらやめてさし上げるわ」
「やだあ゛あ゛あ゛!!! ころされるぅぅうううう!」
「良い返事ですわ! 流石あの人の差し向けた兵ね! それじゃあもっと頑張りなさい!」
「あ゛く゛ま゛あ゛あ゛あ あ あ !!」
ナミハナが狙撃手に対して容赦する気配は一切無い。
しかしそうこうしている間に船に襲撃を仕掛けていたエクサス達は遠くへ逃げていく。
そうだ。それで良い。君達は人外の戦場に関わっちゃいけない。
「そろそろフィニッシュですわ!」
「まだ終われるかよってぇ!」
ラーズグリーズの軌道を魚雷の散布で制限し、リミッターを解除してエンジンを焦げ付かせながらも逃げるアヲノ。
素人の俺にだって分かる。技量だけで言えば奴も人外だ。
だからこそ分かる。奴は無意味に逃げている訳じゃないと。
故に俺は警戒を続け、それの気配に感づいた。
「――――まずい!?」
「どうしたサスケ!」
船団の遥か前方、ナミハナが戦っている方向とは真逆で流星のような光が輝いた。
魔力を帯びた弾丸が来る。レーダーにすら映らない距離から確実に来る。
狙っているのは輸送船ではない。
この一条の光の先に居るのはナミハナだ。
やっぱり、あのアヲノって男は囮をやっていたのか。
狙いは超長距離からの観測射撃か?
わざわざナミハナを狙うために?
さっきナミハナが「差し向けた」と言っていたが……。
――――まさか、ナミハナを倒す為に誰かがこの依頼そのものを仕組んだ?
「反射強化!」
何でもいい。
これに反応できるのは俺しか居ない。
そう思った瞬間、ケイオスハウルは射線の上に飛び出していた。
果たして俺の予想通り、一発の弾丸が流星の光に遅れて向かってくる。
チクタクマンの強化魔術はすんでのところで間に合い、俺は近づいてくる弾丸をハッキリと目視することに成功する。
やはりというべきか、何かの魔術を帯びている。
ただ回避するだけでは危険だ。
「行くぞ!」
「ああ!」
ケイオスハウルの左腕から蒸気が吹き出し、魔力が満ちていく。
「「
振りぬいた拳は弾丸を確かにとらえた。
しかしその瞬間、弾丸の影に隠れていたもう一発の弾丸が出現。
「しまった!?」
「――――大丈夫よ、サスケ」
ナミハナのラーズグリーズは咄嗟にアヲノのパンツァーカイルの影に隠れる。
平均的なエクサスよりも遥かに小型のラーズグリーズだからできる芸当だ。
自由に軌道を変えられる魔弾とはいえ限界は有るらしく、複雑な回避軌道と味方を盾にされたことで弾丸は水中へと沈んでしまった。
「ナミハナ、そいつは捨ててすぐに戻ってくれ。障壁を貼り直す。次は君と船の両方が狙われる」
「ええ、すぐに戻りますわ」
逃げ出すパンツァーカイルから無線が入る。
アヲノが何やら捨て台詞を残すつもりらしい。
「へへへ、お騒がせしましたねご両人。俺達おじゃま虫はここらへんで失礼させてもらいますよ」
「次は師匠ともども徹底的に傷めつけて差し上げますわ!」
「おーこわ! ナンバーズ同士なんだから程々にしろよな?」
「ええ、勿論! 楽しむ程度、よ?」
「あー、もしもし。アヲノさんでしたっけ? 一応同じ人間ですし、次に逢う時は敵じゃないことを祈ります」
「ほう、あんたが噂のサイボーグ魔術師……それなら安心しな。俺達は傭兵、敵も味方も金次第さ。積んでくれたら次はアンタの隣で戦ってやらあ」
アヲノのパンツァーカイルは武装の全てと装甲の大部分を失いながらも蒼海を軽快に駆けていく。
そして輸送船の遥か彼方、黄色の翼を広げた機体がこちらから離れていくのが見えた。わずかだが邪神のような気配がする。まさか第四世代?
量産機の試作が進んでいる段階じゃないのか?
……いや、その量産機の雛形になるワンオフが有ってもおかしくはないのか。
ケイオスハウルと同じように機械というよりも邪神そのものである機体が。
「ビヤーキー……あるいはロードビヤーキーか」
「サスケ、何か仰った?」
「いやなんでもない」
「なら良いわ……それにしても魔弾まで出ているとは思いませんでしたわ。お父様ったら意地悪なさるのね」
ナミハナは遠ざかっていく機械仕掛けの怪鳥、恐らくビヤーキーに関わるだろう黄色の機体を眺めながらポツリと呟く。
「お父様?」
「偶に大物を雇って差し向けてくるのよ。ワタクシが依頼に一度でも失敗したら家に帰るって啖呵切ったから……」
「成る程」
「サスケが居なかったら今回は危なかった。感謝いたしますわ」
「……あれだ、俺達は相棒だろ」
それを聞くとナミハナは無線の向こうでクスっと笑った。
なにかおかしいことを言っただろうか?
「当たり前のことをしただけだってこと? でもそれってすごく素敵な台詞ですわ」
「そうかな?」
「ええ、とっても素敵」
「……そうかもな」
遠くにゴーツウッド諸島が見えてくる。
今日は一晩ここで泊まっていくことになっている。
折角なのでこの世界についてもっと学ぶとしよう。
ナミハナを誘って何処に行こうか、そんなことばかりが俺の頭には浮かんでいた。
********************************************
無事に輸送船の護衛を成功させたサスケ一行!
彼らは日が落ちるまでの間、ゴーツウッド諸島一番の工業都市「セヴァン」を見て回ることに決める。
「サスケ殿が無事なのは嬉しいのでありますがそれはそれとしてお姉様と良い感じになりそうなのは許さないのであります!!」
そんな彼らの前に現れたのはなんと機体を新調して初めての仕事を終えたBランク湖猫のミリアだった。ミリアは佐助達を最近流行りのイカモノ料理店「内原食堂」へと案内する……。
斬魔機皇ケイオスハウル第二十八話「水妖どうでしょう?」
邪神機譚、開幕!
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