楽しいピクニックのお時間です。 EP1

サリーちゃんのアトリエからユーディちゃんのお屋敷まで帰ってきました。

早めに買った本を読みたかったのと、ユーディちゃんとエバンスさんに伝える用事が出来たためです。


「ごくろうさまです」

門番の兵士さんに挨拶をします。


「おかえりなさいませ 幼一さん、ラピスさん」


「ただいま…」

ラピスちゃんも私に釣られて挨拶を交わします。


ユーディちゃんのお屋敷に住むことになった時にドラゴンさんの件を話しており、今後必要な時にエバンスさんとケルベロス2号を借りれることになっているのですが、此度の旅行ではサリーちゃんという同行者が増えるという事を伝えなければなりません。

それに、一人増えるので食料や寝袋と言った荷物も必要なので、早めに伝えるほうがよろしいでしょう。


屋敷の中へ入るとそこには、知らないメイドさんが居ました…。


「えっ… だれ…?」

この間抜けな一声は私のものです。


向こうも私に気が付いたのか笑顔で声を掛けてくる。

「ユーディお嬢様のお客様ですか?」


「はい… 一応は、お客様になるのでしょうか…?」


私の疑問形の返答に疑問を抱いたようですが、すぐに元の笑顔になり職務を全うしようとします。

「お客様、少々、お待ち下さいませ」


そう言って奥へ向かうメイドさん…。


「新しいメイドさんかな?

メイドはマリさんしか見たことが無いけど…」

ラピスちゃんに確認を取ってみます。


「うん… 私も見たこと無い人だよ?」

こくんと頷きながら答えてくれるラピスちゃん。


しばらく待っていると先ほどの知らないメイドさんとエバンスさんがやってきました。


「幼一さん、ラピスさん おかりなさいませ」


「ただいまです、エバンスさん」


「ただいま…」


エバンスさんが知らないメイドさんの紹介をしてくれる。

「それで彼女がこの屋敷のメイドのエマです

家のほうの事情でしばらく実家に帰っていたのですが、先ほど帰ってきたようです」


「幼一さんに、ラピスさんですね

事情などはエバンスさんよりお聞きしました

今後よろしくお願いしますね」


「ええっ… よろしくお願いしますねっ エマさん」


「よろ… しく…」

まだまだ初めての人には緊張する様子のラピスちゃん。


あっ… あと、アンバーも紹介しておきましょうか。

「この子も紹介しておきますね

ほら、アンバー挨拶を…」


「きゅーぅ?」


アンバーをエマさんに見せる。

「まあ、珍しい生き物ですね

名前はアンバーですか… おー よしよし」


「きゅーぅ きゅー!」

アンバーも頭を撫でられて気持ちよさそうにしています。


「マリさんは動物とか好きなのですか?」


「はい そうです

実家の方が農家なので動物と触れ合う時間が自然と長くて、

気が付けば動物好きになってました」


そうです、メイドさんと和んでいる場合ではありませんでした…。

ちょうど、話をしようと考えていたエバンスさんもいることですし、首都へ向かう為の旅の件とその旅路にお供が増える件に関してお話をしましょう。

さすがに首都へ行くとなれば、最低で数日は滞在もするでしょうからエバンスさんとケルベロス2号は使わせてもらえないでしょうがね。

馬車の手配の手配方法を教えてもらうか、旅順が分からない私には難しいかもしれないので申し訳ないですがエバンスさんに馬車を手配してもらいましょう。


「エバンスさん、少しご相談があるのですが、よろしいですか?」


「はい、幼一さん、なんでございましょうか?」


「首都であるアズバーンへ行きたいのですが馬車の手配方法とか旅順を教えてもらえないでしょうか?

あまりこういう事に詳しくないので… すみません」


「いえいえ 結構ですよ?

首都アズバーンに向かうという事で人数は、幼一さん、ラピスさん、それにアンバーの3人?で行かれるのですか?」


「いえ、そこにもう一人追加でお願いします」


「ふむ… 4人ですか、それなら大きめの馬車で十分ですね

旅路も道中にある町で休憩する事が出来ますし、半日ほどで着くので

この前の旅より快適だと思います」


「それは良かったですよ

それで馬車はどこで手配すればいいのですか?」


「それならば心配しなくて、大丈夫ですよ?

以前お話になった幼一さんの用事である、ドラ山脈の帰り次第、私とユーディお嬢様は

首都アズバーンへ行く予定ですのでそこに便乗していただければ大丈夫かと」


ユーディちゃんとエバンスさんは首都アズバーンへ向かう用事があって良かったですよ。

「そうだったのですか、それは確かに本当に助かります」


「それに、私とユーディお嬢様も首都で数日は滞在する予定なので泊まる場所や

帰りの馬車も心配せずともよろしいですよ?

元々、幼一さん達をこの旅路に誘おうと考えておりましたので」


ユーディちゃんも首都でお仕事でしょうか、出張みたいな物ですかね?

「そうですか、でも、何から何まですみません

この屋敷で暮らさせてもらう件まで」

エバンスさんに頭を下げる。


「いえいえ そんな、構いませんよ」


ユーディちゃんにも話しておいてお礼をちゃんと言おう。

「あっ それで、エバンスさん、ユーディちゃんは何処にいますかね?

首都行きの件など話しておきたいですし…」


「ユーディお嬢様ならば、執務室で仕事をしておられますよ」


「ありがとうございます」


ユーディちゃんの執務室にお邪魔する。

カリカリと書類に何かを書いてる手を止め、顔を上げるユーディちゃん。

「おおっ 幼一、それにラピスか何か用事か?」


「ごめんね、仕事の手を止めさせちゃって

そうそう、話が合ってユーディちゃん、今度首都アズバーンへ行くって聞いたけど

それについて行ってもいいかな?」


「うん? そんな事か大丈夫だぞっ

もともと、幼一たちを連れて行こうと思っていたからなっ

エバンスから話を聞いたのか?」


「うん エバンスさんから聞いたよ

それともう一人連れていきたい子が居るのだけど良いかな?」


「うーん 大丈夫だと思うが、エバンスはどう言っていたのだ?」


「大丈夫みたいな事を言っていたよ」


「なら、問題はないぞっ

それと聞いているとは思うが、出発は幼一の用事が終わって一度屋敷に帰ってきてから

だからなっ 勘違いするなよ?」


「うんっ 色々とありがとうね ユーディちゃん…」


「なに、気にする出ないっ

二人をこの屋敷に引き留めているのは私の事情だからなっ

これぐらいは礼に及ばんっ」


忙しそうなので話はそこそこに部屋を私たちは出ていきました。


街で本を探すという目的が完遂されて暇になったのですがどうしましょうか?

そろそろ、お昼時ですしエバンスさんに頼んで昼食としましょうかね?

「ラピスちゃん、今日の用事はほとんど終わったのでお昼はここで食べようか?」


「お兄ちゃんっ うんっ いいよ

ご飯はなんだろなーー♪」


「お昼ご飯を食べたら… 部屋でゆっくりしようか

明日はドラ山脈に向かう予定だからさー」


「そっか… もうあれから七日間ほど経つんだね…っ

ドラゴンさんはちょっと苦手だよ…

大きくて怖いもん…」


「うーん じゃあエバンスさんと馬車で待っおく?

正直夜に登るから暗いし、いろいろな意味で危ないと思うし、その時間にはラピスちゃん

寝てると思うけど…」


あっ… ルビーの奴をどうしよう、エバンスさんに見つからないようにしないとなー。

うーん 今日に会ったら詳細を話しておこうか。


「あっ そうだよね… 夜に行くって話してたもんね…

私じゃ寝てるかもしれないね…

夜だとルビーちゃんが起きるから…」


「まっ その時にルビーにいろいろと話を通しておかないとだめだね…」


その後は夕食の時間までラピスちゃんに私の元居た世界のお話しを当たり障りのない部分を話したり、向こうでは小さな頃に遊んでいたあやとりなどを教えたり、アンバーも交えていろいろと遊んで過ごしました。




夕食後… ラピスちゃんと私の部屋、明日は小旅行ということなので早めに寝るラピスちゃん。

まあ実はルビーにお話しすることがあるので早めに寝てもらいました…。

わざわざ、ごめんね ラピスちゃん。

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