主人公補正を潰せ(仮)
夜燈
転生
○疫病神
僕の名前は
そんなことはさておき僕は死んだ。
いとも容易く、突然の事故で今死んだ。
否、アイツのせいで死んだ。
人はアイツを
しかし僕にとってアイツは疫病神。
初めは小学2年生のときだ。
アイツは転校で家の隣に住みだした。
最初は新しい友達が出来たと楽しかった。
だが、そんな感情も1ヶ月程したら消え去っていた。
アイツは相手の年齢関係なく悪事をする者に反発した。
人助け? 大いに結構、だけど僕を巻き込むな。
類稀ない運動能力と幸運で、いつも無傷だったアイツ。
当然普通の小2の僕は違った。
アイツの側にいた僕はアイツが説教した高校生に捕まり、サンドバッグにされたことがあった。
両親はソレに気づいてくれかった。
アイツは僕が転んだから出来たとか言い、両親も追求することは無かった。
僕がアイツより全て劣っていたからだ。
親はルックス、頭脳、身体能力、人当たりもよく、
僕は何度もアイツと距離を置こうとするが結局は意味がなかった。
そして日に日にアイツの行為はエスカレートしていった。
中学生になる頃には不良から助けた女などが纏わりつきハーレムを形成した。
いつも不本意ながらアイツの隣にいる僕をハーレム達が疎んだ、だから彼女達が僕とアイツの仲を離してくれると思った。
けどアイツが逃がしてくれなかった。
アイツはハーレム達を注意し、僕のことを親友などとほざき『いつも』隣にいるように言った。
それに怒りを覚えたハーレム達…… アイツに惚れていた全校生徒が集団イジメをしてきた。
殴る蹴るなどの暴行は小さいころからアイツのせいで慣れてしまっていたが教科書を引き裂かれ、新品の服や靴は燃やされた。
両親は既に僕に興味はなくアイツを息子のように可愛がった。
僕はこのままじゃ駄目だと感じ、必死に勉強して他県の高校へ行き1人暮らしを始めた。
意外にも両親の許可はアッサリ出た。
寮に住むことになった僕への生活費などは当然親から貰えることはなかった。
そして僕には彼女、親友、友達などアイツがいた時には出来なかったものがたくさん出来た。
そんな平穏は高1の夏、アイツが親の転勤についていき僕の高校へやってきたことで終わりを迎えた。
彼女はハーレムに加わり、あらぬ疑いをかけられ親友や友達からは見限られ、僕の隣にはアイツがいるようになった。
高2の春、1つの事故が起きた。
アイツと僕の目の前にいた7歳ぐらいの少女が信号を見ずに横断歩道を渡ろうと歩き出したとこだった。
「おい! あの子危ないぞ! 居眠り運転してるトラックが近づいている!」と、男か女か声ではわからなかったが誰かが、そう叫んだ。
僕とアイツはほぼ同時に走り出した。
アイツは僕より足が速かったから任せればいいとも思ったが、そんなことは関係なかった。
やはりアイツの方が早く少女のところへ行く……と確信したそのときだった。
急にアイツは何かに
倒れる際に僕の足を掴んで……
僕はギリギリだが少女の腕を掴めたのでアイツのせいで転びそうになりながら必死にどうすべきか一瞬考えた。
そしてなりふり構わず腕を掴み思いっきり車道の外へ投げた。少女がコンクリートで頭を打ったりして怪我をする可能性など何も考えられなかった。
死ぬよりはマシになるだろう、それにこの状況ではそれしか思いつかなかった。 それにしてもいくら7歳ぐらいの子でも片手でよく投げられたものだ。
こうして僕はトラックに轢かれ死んだ。
最後に見たのはアイツの戸惑った顔だった。
そういえば地面が光ってるような気がするが、そんなのはもうどうでもいい……
僕はもう死んでしまったのだから。
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